報告が遅くなってしまったが、4月21日に投票があった栃木県那須塩原市市長選で、渡辺美知太郎氏(36。冒頭写真)が保守系分裂選挙を制し当選した。
渡辺喜美参院議員(67)の甥。
喜美氏といえば、「みんなの党」代表時代には近い将来の首相の声さえ出ていたが、8億円借入問題を契機に解党となり、無所属で衆院議員7期目を目指すも落選(14年12月)。16年7月、維新比例区で参院議員(その後、除名で無所属)として国政に復帰するも昔の面影はない。
甥の美知太郎は喜美氏の元秘書で、13年の参院選で「みんなの党」比例区で当選(その後、自民党麻生派)。今年7月が任期満了で、自民党からの参議院選出馬が内定していたが那須塩原市長選に出て当選した。
血統や元秘書などの経歴を考えると、自民党の一参院議員より、副総理まで務めた祖父・渡辺美智雄氏から続く栃木県の地元トップを務めた方が得という判断からのことで、そこには喜美氏の判断も働いているのではないか。妻は栃木県県議。
那須塩原市には、特区制度を利用して医学部が認可になった件で「ポスト加計」ともいわれた「国際医療福祉大学」の付属病院(上写真。408床)がある。
国際医療福祉大学は95年、隣の栃木県太田原市で開学したが、その設立には地元の渡辺美智雄元副総理が尽力したとされ、その流れで設立時には喜美氏が理事を務めていた。
本紙既報のように、その国際医療福祉大学病院では診療トラブルも。今回の渡辺美知太郎氏の市長当選で、その不誠実な対応が加速するなんてことがないようにしていただきたいものだ。