アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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政府のもう1つの奥の手?--「馬毛島」買収合意も、合意した所有会社代表解任で

今年1月、わが国政府は土地所有者「タストン・エアポート」(東京都世田谷区)との間で、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)のため、鹿児島の沖にある「馬毛島」(横写真)の売買契約に向けた「確認書」をやっと交じらしたと思ったら、合意した相手、立石薫氏が2月19日に解任になり、以前から売却価格が安いと不満を持つ父・勲氏が代表に復帰していたことがこの4月に判明し、雲行きが怪しく……。
本紙では予定通り年内契約、今年度中の馬毛島の引渡しを行うため、土地収用法に基き代執行する可能性もあるとの声などを紹介したが、他にももう1つ奥の手を検討しているのではないかとの情報を得たので追加報道する。

 まさかとは思うが、それは復帰した立石勲氏を逮捕することで“口封じ”するというもの。
「例の『タストン・エアポート』の代表への勲氏復帰、次男で副社長だった薫氏の解任の手続きにつき、違法性があるとして、警視庁がその件を受理したという情報があるのです」(事情通)
勲氏側に当ててみると、そうした動きがあることは知っていたが、さてどうなることか。
一方、前回記事で触れた、馬毛島の土地の一部には今も極度額140億円の根抵当権が付いている問題だが、その謄本(横写真)が確認できたので解説しておく。
この件は、日本共産党が指摘。これに対し原田憲治防衛副大臣は「抵当権が設定されたままの取得はありうる」と2月27日の衆院予算委分科会で述べていた。
確かに抵当権が付いたままの売買は可能だ。しかし、その負債は新たな購入者に付いて来るから、あくまで根抵当権なので実際にどれだけの債務があるかは不明だが、もし最大の140億円あるとすれば国はそれを払わなければならない。だとすれば実質、買収額は合意の約160億円と併せ300億円にもなる。
「ただし、もともとの平和相互銀行から債権譲渡を受けた『日開企業』は立石勲氏がかつて代表だったことでも明らかなように『タストン・エアポート』も含めた立石建設グループ企業。
要するに、露骨にいえば債権者に対抗するために“架空債権”を付けた可能性もないではない」(同)
もっとも、「錯誤」を原因としてその権利を「回復」したのは10年以上も前なので仮に違法でもすでに時効だろうが。
しかし、逆にいえば、それにも拘わらず仮に最大140億円を払ったら、実質、立石勲氏は最大300億円を懐に入れることに。160億円でもごね得と批判があるのにだ。
それとも深読みすれば、そういうことだから、結局、政府は最大140億円は別法人に支払うという名目で、立石勲氏と“手打ち”してトランプ大統領に忖度して買収を急ぐのか?

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