アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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某大阪市市有地払い下げ入札に疑問の声もーー「維新の会」との関係は?(上場企業も関与)

 政界関係者などの間で、昨年後半に大阪市が払い下げした土地の入札に関し疑問の声が出ている。
この土地、敷地面積は約2774坪、売買代金は80億円という大規模なもの。
それだけに、当然ながら入札形式を取ったのだが、関係者によれば、「応募は一社しかなかった。その場合、入札をやり直すのが通例だが、そのまま決まった」という。
また、「一般競争入札ではなく、プロポーザル形式だったから、市側が恣意的に業者選定をすることは可能」(前出・関係者)とも。
そうかと思えば、ある地元大手業者不動産担当者は、「普通なら入札の案内が来るはずだが、うちには来ていない」とも。
その大阪市の市長を15年12月から務めるのは、「大阪維新の会」公認で当選した吉村洋文氏(43。冒頭写真中央人物)。政令指定都市長の中では千葉市長に次いで2番目に若い。
その吉村氏、市長になる前には「維新の党」公認で衆議院選挙(大阪4区)に出馬し1期代議士も務めている。
そんなことからこの払い下げ、「維新の会」さらには松井一郎大阪知事、橋下徹前大阪市長との関係を云々する声さえも出ているのだ。

 その疑問の声も出ている土地とは、大阪市北区の市水道局の元扇町庁舎などがあったところ。扇町公園のすぐ南側の一画(横写真の黄色囲みの駐車場)。
ここに地域にも貢献する医療ツーリズムにも対応した国際的な地下1階地上13階の総合病院(560床)を建てるというプロポーザル提案が評価されたとして、医療法人「医誠会」(大阪市東淀川区。谷幸治理事長)が落札した。
もっとも、医誠会は旧富士銀行の銀行店舗ビル管理から出発した不動産会社「ヒューリック」(3003。東証1部。東京都中央区)と業務提携し、下記写真の不動産謄本のように所有権のほとんど(100分の95)は同社が所有。なお、100分の1を所有する「仁厚医学研究所」(倉敷市)の代表理事も医誠会の谷理事長。
 この医誠会、大阪府を中心に病院を15、介護老人保健施設を6つ経営している。そして、この医療法人の資産総額は約56億円。
「医誠会は維新の会と親しいという話が出ています。ですがこの医療法人の規模では、こんな大きな病院を作り経営できるのか? 22年開設を目指すというが、そもそも財政的に無理との疑問の声も出ています。
また、例え開設されても、周辺にはそれなりの規模の救急病院が3つあり、医療ツーリズムといってもそれだけで成り立つわけもなく、経営的にやっていけるのかという疑問の声も出ています」(北区の医師会幹部)
そうかと思えば、大阪市においては他にも大型施設建設の入札で市議会からも疑問の声が出ている件がある。
来る参議院選挙を控え、対抗する事情通の自民党筋が流しているとの情報もあるが、確かに疑問に思わないわけにはいかない点もあるだけに、今後の展開も含め要注目だろう。

●本紙既報の参考記事
「女性問題だけじゃないーー橋下徹・大阪市長の闇人脈」(2012年7月20日
<記事紹介>本紙指摘通りーー「橋下徹は現在も売春街の顧問弁護士だった」(『週刊文春』7月4日号)(13年6月27日

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