アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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医療法人「陽徳会」による、中国人富裕層を狙った「日本一のがん遺伝子治療」に疑義あり

 来日する中国人といえば、以前は爆買いが話題になったものだが、最近、その対象は最新医療にまで及んでいる。
以前はおむつなどの赤ちゃん製品から食品、家電製品などが主な対象だった。日本製は「安心」、「安全」との高い信頼を得ているからだ。いまや、その対象は美容関係、さらにはがんを始めとする難病の治療にまで及んでいる。そして、そちらの顧客は中国人のなかでも主に富裕層に限定される。
わが国でますます少子化が進むなか、わが国経済の発展を維持するためには中国人は最重要な顧客となりつつあるが、そんななか、あろうことか、中国人の拠り所である日本製は安心、安全という高い信頼に疑義を挟まないわけにはいかないケースが判明した。
きっかけは、今年7月15日、来日中国人向けに発行されている新聞の一面を丸々使って、医療法人社団「陽徳会」(東京都港区)が経営する病院は「日本で一番権威あるがん遺伝子治療」が受けれるかのようなタイトルの広告が載ったこと(冒頭写真)。
これはまさに中国人富裕層のがん患者を狙ったものと思われる。
しかしこの陽徳会、本紙が今年6月14日報じたように、まずそこの元理事長が、パチンコのメダル計数機製造大手「オーイズミ」(6428。東証1部)が医療介護事業に新規進出すべく買収しようとしてトラブルになった別の医療法人の理事長にも就任していた事実がある。しかも、ある中国人経営の医療ツーリズム企業が、まさに中国人富裕層向けにがんに効果があるとされるがん遺伝子治療を行うべく医療法人を買収しよとしたところ、些細なことで契約を破棄され、投じた1億円近くを返金してもらえずトラブルになっているその相手こそがこの陽徳会なのだ。

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