アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(116回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(1月22日~1月26日)&MY注目銘柄

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は20,666円で引け、先々週の+345円に続き、先週末比+306円高で引けた。金曜の夜も、SQを終えたNYダウは終始力強い動きをみせ、日経平均先物も20920円の高値で戻ってきている。マザーズ指数も、週間で6.8%もの大幅上昇となり留飲を下げた。
 先週、17日(木)には「日本電産」(6594)の通期業績の下方修正IRがあり、永守会長より「46年間経営をやってきたが月単位でこんなに受注が落ち込んだのは初めて。尋常ではない変化が起こった」と発言があり緊張が走った。また、17日が決算発表だった台湾・TSMCも、2019年1-3月の売上を前年同期比約-10%とし、営業利益は前年同期比で-22~28%減と発表。通期でもわずかな増収となる、と出したものだから、1月3日のアップル下方修正ショックを理解している投資家は、悪寒が走っただろう。同社はアップルやエヌビディアの受託生産を手掛ける企業だ。ただ、株価は両社とも強烈な寄り底となって、同日一気に戻してきた。
 ここにきて「悪材料がでて株価は上がる!」という、株式市場にようやく底入れの陽光がさす状況が鮮明になってきたのだ。この背景には、米中貿易戦争の緊張緩和が大きく作用している。
ブルームバーグは、18日(金)「中国は貿易不均衡の是正に向けて、米国からの輸入を6年間に渡って拡大し、2024年までに貿易黒字を0にする」、と関係者の談話として報道した。これは、どういうからくりでそんなミラクルが起こせるのかまるで想像がつかないが、米国・トランプ大統領の意向に完全に沿った内容。これ以外でも中国は、海外資本が50%を越える合弁会社の認可を加速させるや、外国企業に対する技術移転の強要を禁止する法案の制定に着手するなどを発表するなど、米国に歩み寄りの姿勢が鮮明だ。トランプ大統領も12月29日に、習近平国家主席と貿易で電話会談をした後「大きな進展をしている」とツイッターに上げ、1月15日には「合意できる」とアピールしている。
加えて、15日(火)には、「中国政府は大規模な減税策を考えている」と発表。推定で32兆円にもおよぶ景気刺激策を打つ可能性があるようだ。実際16日、中国人民銀行は、公開市場操作を使い、9兆円もの資金供給を行った。ここまで発表された経済統計が低調だったことを受けて、金額は1日単位では過去最大となった模様。
 ただ、それでも日米ともに売買代金は少なく、現在がリスクオンであるか? と問われれば、それは違うと言わざるをえない。現在の相場は上がっているのではなく、戻っているだけ、といったほうが正しいのだろう。
この背景には、中国の米中貿易戦争の基本姿勢があるものと考えられる。昨年12月1日の米中首脳会談前に中国は、「米国とは、対抗せず、冷戦せず、漸進的に開放し、ただ、国家の核心利益では譲歩しない」と新路線での方針決定をしていたことが報道ででてきている。中国語では21文字からなるため、「21字方針」と呼ばれるそうだ。ようするに中国としては、【中国製造2025】の絶対堅持は変わらないのだ。
トランプ大統領は、米中貿易協議の2月末の期限にむけて、ここからは中国の知的財産侵害や、産業界への補助金などの構造問題に切り込むことは確実。そうなるともちろん、3月1日までの妥結は難しく、米国は、予定していた2000憶ドル分の中国製品の追加関税を10%→ 25%に引き上げる方針をチラつかせるだろう。16日に、トランプ大統領はEUへの追加自動車関税に前向きとでているので、こちらが米国・トランプ大統領の本来の姿とみて間違いない。

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