この連載第3回で、海外FX「GEMFOREX」(ゲムフォレックス)の実質的経営者4名の実名を公表した直後、本紙は二つの反応を受け取った。
一つは、サイバー攻撃と記事の差し止め要求。もう一つは、読者に情報提供を呼びかけたところ、複数の情報提供があった。
前者は、誰かが報道を恐れている証だ。後者は、その恐れの中身を照らし出す光だった。今回は、寄せられた情報の核心――GEMFOREX出金停止の引き金とされる「クレジットカード決済代行会社」に踏み込む。
■これまでの振り返り
登記上の代表は外国人のノミニー。その陰で事業を握っていた日本人の実質経営者4名――藤田寿彦、冨山智広、寺西健一、森田剛各氏の実名を、本紙は第3回で公表した。
そして2026年5月、預金保険機構はGEMFOREXの入出金を担った収納代行会社の口座について「振り込め詐欺救済法」に基づく手続きを公告し、その「犯罪行為の概要」欄に記された文字は「投資詐欺」だった。国が公的な書面にそう刻んだ。
■情報提供が集まった
そのなかでも特に見過ごせないのが、GEMFOREXが出金停止の理由の一つとして挙げてきた「クレジットカード決済代行会社からの未払い60億円」をめぐる情報である。
仮にこのGEMFOREX側の主張が正しいとするなら――話は、本紙既報の経営陣4名だけでは終わらない。60億円もの資金の出入りに関わった決済代行会社もまた、共同不法行為に問われ得る立場にある。 今回寄せられた情報は、その核心に触れるものだった。
■そもそも「決済代行」とは何か
海外FXに馴染みのない読者のために、簡単に説明しておきたい。
海外FX業者への入金方法は、銀行振込だけではない(*連載第3回で実名上げた2つの「代行会社」は、この銀行振り込みの分)。利用者が自分のクレジットカードで入金額を決済すると、その金額がFX会社の口座に反映される――これがカード入金である。そして、利用者のカード決済とFX業者の口座を繋ぐ中継役を担うのが「クレジットカード決済代行会社」だ。
GEMFOREXもこのカード入金を採用しており、2社の決済代行会社を利用していたとされる。
■公表された未払い60億円の内訳
GEMFOREX自身の説明によれば、決済代行会社からの未払い額は次のとおりである。
– A社――約50億円
– B社――約10億円
合わせて約60億円。GEMFOREXは、これを出金停止の主因の一つに掲げてきた。今回はまず、このうちB社について寄せられた情報から見ていく。



