アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「地域新聞社」プロキシー・ファイト、乗っ取り(能勢公認会計士)側が敗訴

 千葉県と茨城県で無料情報紙発行「地域新聞社」(2164。東証グロース。千葉県八千代市。冒頭写真=細谷佳津年社長)の定時株主総会が11月30日(日)にあったが、乗っ取り側が負けたとの情報が入って来た。
当日、出席するなどした複数の関係者の話によると、午前10時開催予定が20分ほど遅れて始まったそうだが、細谷社長がこの日の議長を務め、決算発表など会社側報告があり、質疑応答となった時、あの公認会計士・能勢元氏(右下左側写真)から議長交代を求める緊急動議が出されたという。
能勢氏による議長交代動議といえば、本紙既報の今年4月の「ストリーム」(3071。東証スタンダード。東京都港区)定時株主総会を思い出すが、能勢氏はどういう立場でその場にいて発言したのか?
本紙では今回の株主総会の直前、11月23日、地域新聞社現経営陣がウルフパック戦術(共同協調行為)で経営権を奪取される可能性があると明らかにし、プロシキー・ファイト(委任状争奪戦)になっていることを報じていた
 その記事のなかで、地域新聞社の筆頭株主だった時慧氏(15・9%。東京都港区)→「MTM Capital」(同。同)を経て、今回、地域新聞社が乗っ取り側と見る1社「YN企画」(東京都港区)に移っていると報じていた。そして、能勢氏はMTMの取締役として出席していた(横右端法人登記簿のように、能勢氏は株主総会直前に取締役就任)。
「すでにMTMは全株式を売却済み。ただし、今回の株主総会の基準日は8月末。YN企画が譲渡を受けたのは10月だから同社に議決権は今回ない。だから、当然、MTMとYN企画の間は通じており、能勢氏はYN社=乗っ取り側の代理として登場したのでしょう」(事情通)
ただし、結論を先にいえば、ストリームの場合は議長交代が認められたが、今回の地域新聞社のケースでは、ストリームの時のように株主の賛否集計数字を明らかにすることなく会社側は否決。これに能勢氏が抗議し、再度、決を取ることを求めると拍手の鳴り具合だけで否決されたという。
その後、細谷議長(社長)の元で、6つの議案の裁決が行われたが、本紙が注目するのは2つ。
1号議案の定款の一部変更とは、株式授権枠を増やすことだったが、これは否決された。これにより来年8月末までに時価総額を40億円以上にしないと上場廃止になるところ、現状、約半分に過ぎず、増資して時価総額を増やすやり方は難しくなり、同社によっては厳しい結果となった。
もう1つは2号議案の取締役選任の件。

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