
この連載(1)では、 中務稔也氏(冒頭右写真。73)が代表を務める不動産会社「ゼフィア」(大阪市淀川区)が、大阪のお寺「正圓寺」(阿倍野区)に対する債権者として破産申立をしていたところ、6月18日、大阪地裁が破産開始決定を認めたが、その申立書の内容がいかにデタラメなものだったのか解説。中務氏は総額6億円の債権者と主張していたが、実際はほとんど債権を持たないことを、具体的に指摘した。
そんなわけだから、本来、裁判官は破産開始決定を認めるわけがなく、中務氏の申立書は昨2024年7月31日に出されたものの、実に9カ月も止まっていた。
ところが、その間、原田裁判官と中務氏側との間で打ち合わせが行われていたらしく、今年4月9日付の中務氏側の「上申書」提出を機に裁判官は動き出す。しかも、中務氏側に味方するかたちでだ。
この連載(2)では、この裁判官の豹変ぶりにつき解説する。
こうした経緯故、お寺側が破産開始申立が出ていることを知ったのは、今年5月2日になってのことだという。
通常、破産申立があればほどなく申し立てられた方に連絡が行くはずが来なく、またお寺側代理人弁護士によれば、中務氏側が出した書面には「破産申立の取り下げは行わないことに致しました」という記載があり、当初、原田裁判官は取り下げを勧告していたシがあるという。
それがなぜ、申立から9カ月も経って、裁判官は動き出したのか? 政治的な働きかけがあったからではないのか?
連載(1)で、この申立書には、このお寺の乗っ取り事件でお寺総代(当時)も微罪で逮捕されるが、その前の取り調べ段階で、総代は検事から、中務氏側の弁護士と和解につき話し合ってくれ旨いわれ、その条件が余りに中務氏側に有利なものなので拒否すると逮捕されたとの驚くべき証言も紹介したが、その中務氏側の弁護士が、かつて大阪地検特捜部(今回の申立書の提出先は大阪地裁)にも在籍したヤメ検の阪井光平弁護士(右横写真)であるとも述べた。
なお、この阪井弁護士は現在、弁護士法人「カイロス総合法律事務所」(大阪市北区)に所属するが、同事務所の相談役には、かつて大阪高検検事長を務めたことがある逢坂貞夫弁護士もいる。



