アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>福賀中の兜町アンダーワールド(74)「先週の仕手株情報」

当連載では、1月中旬ごろから「ANAPホールディングス」(3189。東証スタンダード。東京都港区)を何度か取り上げて来た。
この間、約400円だった同社株価は5月中旬から上げ加速となり、先週は994円まで上昇した。今後のことは分からないが、関係筋は大成功だろう。
ビットコイン購入のIRは4月16日を手始めに5月28日まで5回出ており、すべてビットコインを購入したという内容。その総額は約14億7200万円。ところが、SNSでは「ジー・スリーホールディングス」(3647。東証スタンダード。東京都品川区)と提携するのではないかとか、「暗号資産の含み益が1000億になった」とのIRが発表されるとの噂が流れ、それは関係筋がそれを材料としては煽っていたようで、結果、時価総額がとんでもなく膨らんだということだ。
しかし、購入時期から見ても、購入したといっても約14億7200万円に過ぎないのだから、あり得ない話。増資分を売り捌くためにないことを言った誘導作戦が上手くいったということだろう。
なお、怪しい企業の増資分を売り捌くには時間がかかる。怪しい株式を市場で処分するとなると、引き受けてくれる証券会社は限られる。出来高の少ない銘柄ばかりなので、売るにも規制がある。その証券会社の売買シェアが20%を超えないように売る必要がある。例えば1日の出来高が5万株としよう。売却できるのは20%である1万株までだ。これをオーバーして売ると、関与率で取引所より警告が来て数日売り禁止となるようだ。なので売り捌くには相当の時間がかかるため、いくつもの材料を用意してIRする必要があるのだろう。

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