「スマートグリッドホーム」(東京都新宿区)といえば、本紙でも既報のように、2023年8月、法人税や消費税合せて約3億5000万円を脱税したとして、東京地検特捜部に在宅起訴された。
同社は太陽光発電の電力を電力会社に一定価格で売ることができる権利(売電権)を、発電用の事業地とセットで販売。2018年10月期に得た約9億8600万円をまったく申告せず、法人税約2億4000万円に加え、同期間中の売上にかかる消費税約1億1200万円も脱税していた。
在宅起訴されたのは、同社社長の三宅邦夫氏(冒頭写真。73)も。同氏は過去、消火器訪問販売と輸入住宅販売の2度の詐欺容疑で有罪判決を受け、2度目には服役している。
その三宅氏が新たに目を付けたのが、福島第一原発事故直後にわが国が再生可能エネルギー普及のために定めた太陽光発電の固定価格買取制度(FTI)。現在は12円(1kW当たり。ただし10kW未満は16円)まで下がっているが、当時は42円。また他人の土地とセットで勝手に申請してもよかった(現在は地主の許可がいる)ことから、全国で設備IDを実に3000件以上取得。
その高値の売電権を、言葉巧みに儲かると言って販売していた。
ただ同然といってもいい売電権なのだから、儲かるわけだ。
だが、地主の許可を得ていないことなどから、実際に土地とセットの売電権を高値購入しても地主とのトラブルなどが続出。同社ほど高値売電権を販売するところはなく、本紙では一種の詐欺商法ではないかとウォッチして来ている。
こうしたなか、今度は、北海道北広島市の土地とセットで販売した売電権を巡りトラブルになり、民事訴訟になっていた件で、昨年12月26日に東京地裁で判決があり、スマートグリッド側が全面敗訴していたことが判明したので報じる。