アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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船井電機ーー上田智一前社長の1円で譲渡の真意と、事件屋等の企み

 本紙がいち早くスッパ抜いた、船井電機を1円で売却していた件につき(12月5日に続報)、12月に入り船井電機前社長の上田智一氏が大手マスコミ各紙に口を開き、その内容が報じられている。
その内容を総合すると、①1円で売ったのは事実。②自分を利するための契約ではない。③船井電機代表だった間の約68億円の上田氏の個人保証もファンド側が引き継ぐ契約になっていたが、実際には引き継がれていないーーと答えている。
しかし、本紙が得た関係者の証言や内部資料によると船井電機、船井電機・ホールディングス(現「FUNAI GROUP」)を傘下におく「ミュゼ・ホールディングス」(現「スターゲート」)を1円で購入した「EFI株式ファンド」(東京都中央区)との見解の相違は大きい。
③についてだが、当初、ファイナンシャルアドバイザーからEFI株式ファンド側には、売却価格は1円ではなく15億円と提示されていた。そして後に6億円になっている。
 そもそもEFI株式ファンドは、古寺誠一朗氏が当初の資金集めのために、ファンド組成をしていないにもかかわらず、社名に「ファンド」を冠す商号変更の上、利用しただけである。現実としてミュゼ・ホールディングスの株式は、船井電機の取締役、船井電機・ホールディングスの代表を務める古寺誠一朗氏の弟の妻が代表を務める会社に譲渡された(また、9月27日付で古寺氏がミュゼ・ホールディングスの代表に、また同日に社名をスターゲートに変えた)。
そしてその後、古寺氏の独断で、東京本社ビルをはじめ船井電機の一部不動産が売却に出されるなどしていたことがわかった。
こうした事実を知った船井電機の旧経営陣側は上田氏に続き、今度は古寺氏に船井電機を食われてはたまらないということで、10月24日に準自己破産を申請したのだった。

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