アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「ニチリョク」の実質オーナーと嘘をつき、高齢者等から資金集めした「シグマシンカ」(=竹山聡氏)

 まずは、本紙がこれまでに報じた関連の2023年11月と、今年4月の2つの記事をご覧いただきたい。
霊園や納骨堂を受託開発・販売する最大手の「ニチリョク」(7578。東証スタンダード。東京都中央区)――この筆頭株主は「バリューアップ・ファンド投資事業組合」(約43%)、そして2位は「シグマシンカ」(約7%)だった。
このシグマシンカ、代表は竹山政秀氏だが、実際に経営権を握るのは息子の竹山聡氏(右下写真)で、彼は周りに「バリューアップを買収し、自分はニチリョクの経営権を握った。今後、ニチリョクをお墓だけでなく、介護や健康食品、イベントや旅行事業など高齢者向け事業を総合的にやる」旨述べ、投資を募っていた。
だが、「大量保有報告書」をいくら見ても前述の1、2位株主に変化はない。その点、竹山氏は「買収はしたが、登記は留保」と意味不明の解説。そこで本紙も、バリューアップのファンドを組成した「アリスタゴラ・アドバイザーズ」の担当者に聞いてみたのだが要領を得ない回答。いったい、どうなっているのと問題提起した記事内容だった。
 結論をいえば、現在も「大量保有報告書」は前述のままながら、現在発売の「四季報」(4集)より前、すでに3集(冒頭右写真。左は1集)の時からシグマシンカの名前は10位内から消えていた(保有株に1%以上変化があった際の「変更届け」を出しておらず、金融商品取引法違反と思われる)。
最近、本紙はその事実を知り取材した結果がこの記事。
事情通はいう。
「すでに今年3月末までにシグマシンカはニチリョクの所有株を売却し、今はまったく所有していないはずです。そもそもバリューアップ分の買収などしていないのに、竹山氏はニチリョクの経営権を握ったと吹聴し、『Zaoo(ザオー)』に社名変更し、昨年10月にはTVCMも流すなどと言って、資金をかき集めたんです」
そのためニチリョクの株価も急騰(下写真)。
それまで100円台だったのが去年6月から上がり出し11月には高値714円まで。しかし、現在は以前通りの100円台に戻っている。
「投資詐欺ですよ。投資家には、年利40%ものリターンを謳い、また、一部の投資資金は高値になったニチリョク株に替えてあげるなどといい、シグマシンカ名義で金銭消費貸借のかたちで資金を集めたんです。高齢者を中心に、かなりの被害者が出ています」(別の関係者)

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