アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<本の紹介>原発のない社会をめざす季刊誌『季節』が創刊10周年へ

 日本で唯一といえる脱原発情報誌『季節』(『NO NUKES voice』改め)が、創刊から10周年を迎えた。発行の鹿砦社は、長年タブーだったジャニーズ問題を訴訟リスクも顧みず、早くから告発してきた反骨の出版社だ。
2011年の3.11福島第一原発事故が起きた直後は「原発反対」の世論が高まり、翌年の「さよなら原発」集会(代々木公園)に約16万人が集まるなど、大いに反原発運動が高揚した。国の原発政策を推進してきた経産省の敷地内に、「脱原発テント」が突如登場し、土地を占有し続けたこともあった。
あれから13年。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということか、国の政策は昨年「原発を最大限活用する」へ転換し、今年の世論調査でも「原発の運転再開」に関して賛成が反対を上回るに至っている。
だが、日本列島のどこでも大地震が起こりうるなかで原発を稼働してよいのか? 放射性廃棄物の最終処分はどうするのか? そもそもフクイチの廃炉は可能なのか? 問題山積のなかで、ブレずに一貫して脱原発を訴える本誌の意義は大きい。
2024年秋・冬号は創刊10周年特別号として「どうすれば日本は原発を止められるのか」をテーマに小出裕章(元京大原子炉実験所助教)、樋口英明(元福井地裁裁判長)、後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)ら識者が寄稿している。また主だった反原発の現場活動家がこれまでの運動を回顧しており、貴重な記録になっている。一読を勧めたい。

※本誌は一般書店では入手が難しいようだ。鹿砦社ホームページから入手できる。

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