原子力安全・保安院を擁すと共に、国の原発政策を推進してきた経済産業省。その本庁舎(東京都千代田区霞が関)の歩道に面した一角に、「原発反対」「再稼働をやめろ」を掲げるテントがふたつ、並んでいる。自称、“経産省前テントひろば”だ。
このテントが立ったのは9月11日、市民約1300人が経産省を包囲した「人間の鎖」行動の直後。そのときの様子は本紙でも報じているが、それから3ヶ月が経過した今、テント運動は次第に広がりを見せている。それと共に、警察さらには右翼団体による妨害が強まっている。
本日昼過ぎ、テントを訪問し、常駐しているメンバーにこの間の事情を聞いてみた。
応対してくれたのは「9条改憲阻止の会」メンバーで、全共闘世代の男性。
――テントを立てたときから今に至る経緯は?
「9月11日にテントを設置したとき、丸の内署の警察官があわてた様子でやってきて『撤去しろ』と言ってきた。それに対し、『ここは経産省の敷地だ。経産省から委任状でももらっているんですか?』と聞き返したら、そんなもの持っているわけはないので、警察はひきかえしていった。翌日も丸の内署の警備課長がやってきて『これは命令ではない。お願いです』とテントの撤去を求めてきた。応じないでいると今度は、『これからつきあいが長くなるな』と逮捕をほのめかすような脅し文句を吐き捨てていきました」
「11日に私たちは経産省に対して、“原発事故の真相究明、被災者への補償、すべての原発の廃炉”を求める申入書を渡そうとした。ところが経産省側は『受け取る者がいない』と受け取りを拒否。いま、国民の8割は原発に反対している。私たちはその意志を代表するつもりで、申入書を受け取るまで座り込みを続けることにした」
「9月21日に、経産省は『敷地は国民共有の財産なので、テント設置は認めない。公序良俗にも反する』と回答してきた。これに対する異議審査請求は60日以内に申立てできる、ということだったので、では60日間は大丈夫かな、と私たちは判断し、さらに座り込みを続けた(笑)」
――11月12日に経産省の職員がやってきたそうですね?