大手メディアでも既報の通り、6月29日に行なわれた大飯原発再稼働に反対する首相官邸前行動(主催は首都圏反原発連合)は、20万人(主催者発表)という空前の人々が結集した大行動となった。このような人数で首相官邸と国会周辺が埋め尽くされるのは、あの半世紀前の60年安保闘争以来、初めてのことといってよい。
当日、本紙記者も脱原発の「経産省テントひろば」を訪問した後、夕方6時頃、首相官邸に向かおうとした。ところが、すでに歩道を埋め尽くした人々が霞ヶ関まで「逆流」。人の流れに逆らいつつ、官邸を目指したが身動きがとれないほどだった。
参加した人々は多様である。まさに老若男女、ベビーカーを押しながらかけつけた女性もいる。そのなかでごく少数だが、中核派系全学連と見られる学生たちもいる一方、日の丸を掲げ参加している人々もおり、まさに「右から左まで」包み込んだ幅の広い運動という印象だった。その大半が、初参加と見られる市民たちだ。
歩道から車道にあふれ出た人々に対し、警察も規制をあきらめたのか、徐々に車線を開放し、ついには6車線すべてが人々の大群で埋め尽くされた。