地元・下関市長選挙において、選挙妨害を反社会勢力に繋がる人物に安倍事務所が依頼していた安倍首相重大疑惑を本紙が報じ(第一報は6月9日)、大手マスコミは無視するも、ツイッターなどで拡散されるなか、本紙・山岡は8月7日夜、東京・新宿の地下鉄に繋がる階段で全治約1カ月の転落事故に遭った。
そんななか、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF。本部・仏パリ)は8月28日付で、この転落事故は不審だとして、わが国警察に捜査するようにとの声明を出してくれた。そして、これを契機に、『日刊ゲンダイ』は9月1日付で冒頭のような記事を出してくれた。
本紙スクープの安倍首相重大事疑惑並びに本紙・山岡に関心を持っていただいたことは本当に深く感謝している。ただ、RSFの声明のなかには複数の事実誤認があり、また、「日刊ゲンダイ」の本紙・山岡コメント部分には誤解を招きかねない表現があった。
そこで、本紙はこれまで山岡のケガに関しては一切報じていないが、事実誤認を訂正すると共に、この際、<見解>を出しておくことにした。
まず、RSFの声明(日本語訳全文は以下に転載。ただし、知人に訳してもらっているので完訳の保証はない)の誤認部分とは、以下の通り。
(1)意識不明になった(実際は意識不明になっていない)
(2)額を20針縫う(実際は7針縫う)
(3)1日入院(入院していない)
(4)同氏は、彼の転落事故は偶然ではないと確信しています(確信などしていない)
一方、「日刊ゲンダイ」記事中の山岡コメント部分の誤解を招きかねない表現とは、コメント最後の「今回の一件も何らかの力が働いたと疑わざるを得ません」。
この表現だと、安倍重大疑惑報道と今回のケガは、何らかの関係がある確率が“高い”と本紙・山岡がいっているとも解釈できる。
正確には、本紙・山岡は過去に自宅を放火されたこともある(放火の件は、「朝日」=08年5月1日。上写真=で過去の報道に対する報復事件として紹介されたこともある)。そして、足腰や敏捷性にも自信があるところ、単に足を踏み外しただけなら、なぜ、前転して下まで落ちるのか自分自身も不思議に思っていることから、押されたりした感覚はないものの、「何らかの力が働いた可能性も否定できない」といったもの。
だからこそ、後日、警視庁新宿署に防犯カメラ映像で事実確認できないか相談した。そうしたところ、即、刑事部の2名が同行して現場を見てくれたが、そこには防犯カメラはないとのことだった。そして、映像がない上、押されたなどの意識がない以上、被害届は受理できないといわれた。しかし、念のために「診断書」(上写真)も取ったのだ。
●参考記事(『ケチって火炎瓶』 安倍首相と暴力団の疑惑を追う山岡俊介氏が階段から転落 右肩骨折、頭部7針の本人に直撃インタビュー。「マイニュースジャパン」8月28日)
●RSFの声明(日本語訳)
「日本は首相と暴力団との関係を調査していたジャーナリストの不審な事故を調査する必要があります」
<RSFは日本の警察当局に対し、首相と暴力団との疑惑に満ちた関係を調査していたことで知られるジャーナリストが不審な事故に遭い、病院に運ばれた事件を究明するよう、呼びかけます。
日本語の調査報道ウェブサイト、アクセスジャーナルの創立者である山岡俊介氏(59歳)は、8月7日、東京の地下鉄新宿駅にて階段を20段転落し、意識不明になった上に肩の骨を砕かれ額に20針縫う羽目に陥りました。この事件により山岡氏は1日入院し、回復に1カ月以上費やしています。同氏は、彼の転落事故は偶然ではないと確信しています。
安倍首相と暴力団との関係疑惑を調査していたこの独立系ジャーナリストは、過去数年にわたって数々の脅迫状を受け取り、自宅が放火未遂に遭ったと主張しています。山岡氏によると、事故当時「現場を撮影していた監視カメラが存在しなかった」ため、警察は調査を拒否しています。
国境なき記者団(RSF)の東アジア局長、セドリック・アルビアニはこう述べます。「同ジャーナリストの調査対象を鑑みれば、そのような不自然な転落事故は徹底して調査する価値がありますが、現時点では明らかに何も行われていません。」アルビアニは新宿警察署が「現場付近の監視カメラを全て検査して目撃者を呼びかけることで転落事故の真相を究明し、同ジャーナリストが受け取った脅迫内容全てを調査する」よう呼びかけます。
国粋主義の安倍晋三首相が2012年に政権を掌握して以来、日本のジャーナリストは、特に政府が絡んだ調査を行う際に、不信の目や敵意を向けられる環境に置かれていると訴えます。
日本はRSFが設立した2018年度報道自由度インデックスにて180か国中67位に位置しています>