アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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有罪判決の闇金「コスモ」松村代表――転落の契機はリーマンショックか

 本紙ではマスコミで唯一、その世界では有名な闇金の「コスモ・エージェンシー」(東京都台東区)の松村正雄社長(冒頭写真。68)に、去る3月19日、貸金業法違反(無登録、高金利)で、東京地裁で懲役2年6月執行猶予5年、罰金600万円、また法人としてのコスモにも400万円の罰金が言い渡されたことを報じた
何しろ、借金の回収時に現役のヤクザを同席させるのだから、どれだけ狂暴な男かと思っていたのだが、今回、取材を進めると、実はおちゃめでひょうきんな面もあるとの証言も得た。
闇金をやる以上、取立て時に厳しい対応をするのは、取りっぱぐれないようにするためにむしろ当然のことと言えなくもない。
ただし、本紙で報じている別件疑惑のような、少なくとも高齢老女の無知や、認知症に付け込んで騙し、不動産を乗っ取るようなあこぎ極まりないような者ではなかったというのだ。
しかし、その疑惑は本紙既報のように濃厚だ(今回、追加取材でカネを貸す際に白地の委任状に署名・捺印させ、それで持って架空債権を作ったり、会社乗っ取りをしたケースも確認)。
では、なぜそんな風になってしまったのか?
そこで出て来るのが、リーマンショックで計画していた銀座のビル建設がうまくいかず、総額20億円とも言われる損失を被ったせいではないかというのだ。
詳細は以下に述べるが、松村氏は闇金のコスモとは別に、不動産事業にも乗り出し、2007年3月、東京は銀座2丁目にビル建設のために土地を、親しい不動産会社知人に協力し購入している。そして、そこに11階建てのビルを建設しようとして実際に工事に着手していた。
ところが翌2008年9月、リーマンショックが起き、工事代金が払えなくなり、結局、建設は中止になり、土地も手放すことに。それだけでは済まず、巨額借金も。
なお、この不動産計画で組んでいた相手は、本紙でも報じた、大手旅行会社「エイチ・アイ・エス」(9603。東証プライム。東京都港区)の澤田秀雄取締役会長が、リクルート株が安く買えると騙され、結果、50億円が闇に消えた事件に登場する人物なのだ。

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