現在、発売中の『週刊新潮』のマネー欄(2頁)で、「企業防衛アドバイザー」=「アイ・アールジャパンホールディングス」(以下、IRジャパン略。6035。東証プライム。東京都千代田区)のことが取り上げられている。
本紙でも既報のように、一昨年、当時、上場していた中国系投資会社「アジア開発キャピタル」が、「東京機械製作所」(6335。東証スタンダード)に乗っ取りをかけ、わが国経済安保上からも話題になったが、IRジャパンは、この乗っ取りの防衛を東京機械から請け負う一方、当時の栗尾拓滋副社長(冒頭右写真。57)は何とアジア開発側にも接触し企業買収方法につき提案、つまり、企業防衛アドバイザー企業が企業乗っ取り側と二股かけていたことが発覚。
それだけでなく、この栗尾元副社長、自社IRジャパンの株価が下がると予想されたインサイダー情報を、株を買わせていた愛人2人に漏らした金商法違反(取引推奨)で、すでに昨年10月、懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。しかも、そのインサイダー情報を漏らした相手が顧客ならまだしも愛人、それも2人というのだから呆れる他ない。
それにこの栗尾氏、副社長と言っても代表取締役でもあり、長年、同社を牛耳っていたのだから、同社の信用失墜は著しい。
今回、『週刊新潮』が記事にしたのは、このIRジャパンと3役員を被告に、東京機械から、前述のアジア開発への二股行為で損害を被ったとして約6億1428万円の損害賠償請求訴訟を昨年12月28日に提起されると共に、それに先立つ昨年10月5日、アジア開発側からも16億7500万円の損害賠償請求訴訟を同じく東京地裁に提起されたから。
IRジャパン、21年3月期、22年3月期は80億以上の売上があったが、23年3月期、24年3月期予想も20億円以上減らし、本当に危機的状況にあるのではないか。