アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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“国家老”の前田下関市長が進める「安倍晋三記念館」建設計画(3)――議会大荒れ、特別委員会で再検討も

 この連載(1)(2)で見たように、安倍昭恵夫人が、安倍元首相の元秘書で、地元・山口県下関市で安倍氏の最側近だった前田晋太郎下関市長(冒頭写真)に頼み込んでかどうか真偽は定かでないが、ともかく、下関市が目的をハッキリさせないまま、かつ唐突に、「令和5年度下関市土地取得特別会計予算」(議案第19号)が、今年3月に市議会に出し、3月27日、賛成26名、反対6名、棄権1名で通過した。
だが、事前に一切の説明はなく、景観保持というよくわからない理由で、しかも安倍元首相とひじょうに関係が深かった「三菱重工業」の遊休地(「長府苑」)購入で、それも4億円という巨額予算が計上されるなか、ここに「特定の政治家の記念館構想の噂もあると懸念される」として反対意見が飛び出し、ついに6月の議会で大いに紛糾しているという。
先の「特定の政治家の記念館構想の噂もある」と発言した片山房一市議(共産)は、この6月議会で、この長府苑の購入につき、以下のような質問をしている。
(1)取得についての進捗状況
(2)市の公園整備計画との整合性
(3)購入意思決定の文書、決定に至る協議の記録等の文書が存在しない理由
(4)取得目的や管理運営に関しての庁内での協議の状況と各部の認識
(5)市民、議会へ情報を提示しないまま購入予算計上をした理由
(6)一旦凍結して再検討すべきではないか。
議会関係者は、こう漏らす。
「片山氏の追及に、他の共産党、立憲、れいわの野党議員も同調し、特別委員会、あるいは百条委員会を設け、その真相を徹底して明らかにしようという流れが起きています。予定では明日(6月23日)が表決日なので結論が出ますが。
本当なら、こんな不透明な巨額予算の計上など、自民党でも林派議員の方が今は安倍派より多いのですが反対すればいいんです。ですが現状は反対できない理由があるのです。その林派議員のなかには、“安倍記念館を作ることは、現状、証拠など出ないから、百条委員会でも何でもやってもいいじゃないか。後で追及行き詰まりで恥をかくのは野党の方だから”との声も出ており、予断を許しません」
では、反対できない林派の理由とは何なのか?

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