アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第99回「エンタメ職人・中島貞夫を悼む」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

映画監督・中島貞夫(1934年生)が亡くなった。
 主な舞台は60~70年代の東映で、ヤクザ映画から股旅、戦争、エロ物、刑務所ものまで何でもござれのエンターテインメント職人で、かつ反骨、反権力の人でもあった。印象に残った映画を並べても『893愚連隊』『あゝ同期の桜』『大奥(秘)物語』『日本暗殺秘録』『にっぽん69セックス猟奇地帯』『温泉こんにゃく芸者』『懲役太郎・まむしの兄弟』『現代やくざ・血桜三兄弟』『木枯し紋次郎』『鉄砲玉の美学』『女番長・感化院脱走』『脱獄広島殺人囚』『暴動島根刑務所』『実録外伝・大阪電撃作戦』『唐獅子警察』『狂った野獣』『沖縄やくざ戦争』『総長の首』などなど、『キネマ旬報』のベスト10とか映画賞とかは無縁だったけど、誰が観ても楽しめて芯のある大衆娯楽映画を作らせたらトップクラスだった。
 ジャンルとしてはヤクザ映画が多いけど、義理人情の任侠美学は嫌いで、チンピラの視点にこだわった。なかでも『鉄砲玉の美学』なんて東映じゃなくてATGで撮った異色作(主演は渡瀬恒彦)で、これまでのヤクザ映画のイメージとは違う冒険も試みた。面白いのは『にっぽん69セックス猟奇地帯』というドキュメンタリーで、何と監修はあの竹中労、タイトルデザインは横尾忠則。中身も日大全共闘、街頭パフォーマンス集団「ゼロ次元」、ブルーフィルム製作現場とか、硬軟とりまぜての東映流アナーキー。それをエロっぽいタイトルで公開しちゃえというから凄い。

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