JR「日暮里駅」から徒歩数分、流行の観光スポット「谷中銀座」のすぐ横という一等地の地上げを巡り、有名不動産会社を被害に遭わせてしまったとの情報が入って来た。その会社とは「都市綜研インベストバンク」(東京都千代田区。柳瀬健一代表)。
都市綜研インベストバンクといえば、今年3月の売上高は500億円を超え前年度の2倍以上、利益も3倍以上と、イケイケの不動産大手だ。それだけに、資金豊富だとそれに群がる輩が寄って来るということか。
この東京都荒川区西日暮里の約900坪の土地を、都市綜研インベストバンクは、「ハロープロパティーサービス」(東京都中央区)という不動産会社と共同で地上げをして転売するとして、「関西電力」(9502。東証プライム。大阪市北区)の子会社「関電不動産開発」との間で、昨年8月30日、不動産売買契約をした。
売買代金は総額40億円。
契約と同時に、すでに都市綜研インベストバンク側には手付金12億円が支払われており、今年4月末までに地上げを完了することになっていた。
ところが、地上げは完了せず、都市綜研インベストバンクはハロープロパティーサービスと連帯して違約金を払わなくてはならない事態になっている。
「そもそもこの地上げ話はハロープロパティーが持ち込み、信用し、我々が懇意にしている柳瀬さんに繋いだものなんです。
一帯はたくさんの一戸建て、マンション、ホテル(右左写真)もある上、道路と接する間口部分(右右写真)の所有権を東京都が所有していてその払い下げを受けて廃道にしなければいけない問題もありました。
ですが、ハロー側が実は既に内々にもう解決しているんだと。リスクはないと。所有権変更になればすぐ転売して大儲け出来るといっていた。ところが、実際は何も解決しておらず、ハロー側は手付金狙いだったようなんです」(関係者)
ハロープロパティーサービスのオーナーは杉山一之氏。
かつて杉山氏は「紀尾井町不動産」などを経営し、旧住専の大口借り手だった。だが、周知のようにバブル崩壊で実質、倒産。
その悪名の高さなどから代表は妻にしているが、未だ豊富な人脈を持ちなかなかやり手とされていた。しかし、何しろカネを持っていない。
そこで、この仲介者を信じた都市綜研インベストバンクは、この一帯の土地の競売に応じ、関電不動産と売買契約を結ぶわずか1カ月前に11億1111万1111円で落札。しかも、杉山氏の求めに応じ、その一部の不動産の所有権まで与え、かつ、関電不動産との売買契約で共同(連帯保証)の売主にまでしてあげていたのだ。
まさに踏んだり蹴ったりの格好だが、実は買い手の関電不動産にも不可解な点があるという。
(*本紙YouTube版「深層追及」でも、本日6時から、この地上げトラブルにつき配信中。是非、ご覧いただきたい。★ココをクリックすれば無料で見れます)