デフレ不況のなか、相変わらずゴルフ業界は厳しい状況で、中小以下は多くが赤字経営。こうしたゴルフ場を安くM&Aし再生する「アコーディアゴルフ」、「PGMホールディングス」の2大勢力だけが勝ち組という状況だ。
したがって、それなりに真面目に経営をしても破綻する例も珍しくないものの、「あいつだけは許せん!」と関係者が怒り心頭のゴルフ場元経営者がいる。
「ザ・オーシャンゴルフクラブ」(=冒頭写真。茨城県日立市)を09年2月末まで経営していた塚原裕氏がその人だ。(ゴルフ場は譲渡され、現在も旧会員はプレーできる。ただし、ゴルフ会員権の価値はほとんど紙くずに)。
同名だった運営会社は特別清算中だ。れにしても、なぜ、塚原氏はそんなに批判を浴びるのか?
理由の1つは、ザ・オーシャンゴルフクラブの母体はビル・駐車場経営の「太陽エステート」を始めとする太陽グループ。太陽エステートといえば、バブル経済崩壊後の90年代半ばに浮上した住専問題で、住総から融資されたうち実に約500億円を不良債権化(ピーク時の融資額は1381億円)、すなわち我々国民の税金で補填した会社。
住専の大口借り入れ先といえば、「末野興産」「桃源社」始め、次々と倒産し、刑事責任も問われた。ところが、太陽エステートはその後も生き残り、また責任追及を逃れた数少ない会社だ。
その理由として、宮沢喜一元首相などに繋がる人脈がいわれたものだ。(上チャート図参照のこと)
もっとも、最後には冒頭で見たようにゴルフ場を実質、破綻させたわけだが(その負債総額は約239億円)、それにも拘わらずあいかわらず田園調布の豪邸に住み続け、贅沢な暮らしをしていると見られるからだ。