6月8日、東京高裁で、パチスロ大手「ユニバーサルエンターテインメント」(以下UE略。旧アルゼ。6425。スタンダード。東京都江東区)株主代表訴訟の判決言い渡しがあり、中村也寸志裁判長は、UE創業者で元会長の岡田和生氏(79)の控訴を棄却した。
本紙では一審判決についても報じているので、詳細はそちらをご覧いただきたい。
その際は岡田氏に「20億円以上支払え」との判決と報じたが、このところの急激な円安、利息も加えると、日本円換算では25億円近くになる。
岡田氏といえば、本紙ではつい先日、UE傘下のマニラのカジノホテル「オカダ・マニラ」を不法占拠。これに対し、UEが刑事告訴をするとIRしたことを報じたばかりだ。
このUEのIRのなかで、岡田氏はこのマニラのカジノホテルの経営会社の親会社で、UEの100子会社「Tiger Resort Asia Limited」(以下TRAと略)の取締役だったが、2017年6月に解任。それは岡田氏が約20億円を不正に流用したことなどを受けて行ったもので、UEが岡田氏に対し提起した損害賠償責任訴訟については、すでに21年9月、わが国最高裁で岡田氏敗訴が確定していると述べている。
岡田氏側のマニラのホテル占拠は、フィリピンの最高裁が4月27日、TRAの代表は岡田氏と認めたことによるが、UEは、TRAは日本のUEの子会社で、かつ香港企業だからフィリピンの裁判所の効力は及ばない一方、不法行為をして日本の最高裁で岡田氏は敗訴確定しているということで述べたのだろうが、冒頭で述べたように、今回、約25億円(一審時は約20億円)の判決が出たのは株主代表訴訟を起こした株主のお陰で、UEは同訴訟で補助参加人になっていたに過ぎない。