筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。
観て来ましたよ。『シン・ウルトラマン』。ところでウルトラマンがなんでウスターソースと関係があるのかって? まあ読んでいくうちに分かるので、とりあえず映画の話から。
初代ウルトラの世代(『ウルトラQ』『ウルトラマン』が小学6年~中学1年)にとっては、冒頭からオマージュたっぷりで嬉しかった。
昔風のテロップで「空想特撮シリーズ」が出るのがニクいよ。そして『ウルトラQ』のタイトルと昔のテーマ曲。冒頭から立て続けに登場する『ウルトラQ』時代の怪獣たち(少しアレンジしてある)。ゴジラの改良版だったゴメス、マンモスフラワー、冷凍怪獣ペギラ、怪鳥ラルゲユウス、地底怪獣パゴス。
『ウルトラマン』からはガボラとネロンガが登場している。できればナメゴン、ケムール人、ガラモン、バルタン星人、ジャミラも出てほしかったんだけどね。映画自体は後半、怪獣との対決というより、地球侵略を狙う狡猾な異星人との丁々発止や、ウルトラマン自身の葛藤(地球は救うに値するのかとか)など、割と高尚な世界に入ってゆく。その辺りのリアリティは、同じチームの『シン・ゴジラ』にも共通するとこなんだが、元祖怪獣ファンとしては、そこは痛しかゆしなのだ。