公認会計士で、「東京フィナンシャル・アドバイザーズ」(東京都千代田区)代表でもある能勢元氏(右下写真)は、“危ない上場企業(ハコ企業)”の増資、株式交換によるM&Aにおける株価算定などを行っているが、その業務に関して、増資ブローカーなどとの間で数々の疑惑などが浮上したため本紙で報じたところ、能勢氏個人から訴えられ、記事削除の仮処分、損害賠償請求訴訟で争っているのは本紙既報の通り。
その2度目の仮処分の決定が4月21日に出て(ただし郵便で本紙が決定書を受け取ったのは25日)、本紙の2つの記事につき仮に削除せよとなった。
この決定に本紙側は不服だが、法治国家とされるわが国で本紙は報道を行っている以上、この決定に従い、明日中には以下の2つの記事を仮に削除する。
したがって、関心のある読者は、削除する前にご覧いただきたい。
なお、この2度目の仮処分を巡っては、能勢氏の真相(裏側の)を知り得る関係者(仮にA氏とする)が「陳述書」を書いてくれ、本紙ではその陳述書を公開している。
これをご覧いただければ、今回の仮処分でどういう点が争われたか、また、本紙の記事内容が少なくともまったくのデタラメではないことはわかっていただけると思う。
残念ながら、記事削除の仮処分においては、当事者が記事が事実と認めない以上は、まず報じた側が負けてしまうのが実態だ。しかも、能勢氏に関する疑惑を知り得る当事者は極めて限られており、また利益が絡む者ばかりなので、認める者など皆無と言っていい。その点、A氏が陳述してくれたのは奇蹟的と言ってもいいが、それでもダイレクトな当時者ではなかったので、裁判所としては「伝聞」と判断せざるを得なかったのだろう。
4月15日にあった第2回目審尋では、本紙・山岡はずいぶんしつこく主張を行い、この際、裁判官からは「報道の真実性証明において、実名証言を得られないことがあるのはわかる」旨の発言もあった。それを聞いて、本紙・山岡としては、決して記事がデタラメなものでないことは裁判官も実は薄々はわかってくれていると思った次第だ。
したがって、今回決定にめげることなく、本紙としては今後も能勢氏とは徹底して訴訟で争って行く一方、疑惑報道もこれまで通りどんどん追加報道して行くのでご期待いただきたい。
(*能勢氏関連の情報提供を求めます!)
〇今回削除決定が出た2つの記事
①公認会計士・能勢元氏、本紙などにスラップ訴訟(2021.11.18)
②仮処分は記事全面削除も――海外ファンド「ホワイトナイト」=能勢公認会計士、これだけの根拠(2021.12.09)