アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(868)「『イセ食品』会社更生手続きと、新たな仕手情報」

 以前から経営不安のあった鶏卵業界最大手「イセ食品」(東京都千代田区)だが、3月11日、その関連会社「イセ」との計2社に対し、会社更生法が申し立てられ、同日付けで東京地裁から保全管理命令を受けた。負債総額はイセ食品278億円、イセ175億円の計453億円。
会社更生法申請をしたのは、2021年6月末まで、長きに渡り代表取締役を務めていた創業家出身の伊勢彦信前会長(92。右下写真)の長男で、株主である伊勢俊太郎氏が代表を務める「ISEホールディングス」(東京都千代田区)と債権者の「あおぞら銀行」。長男も加わっていることもあり親族争いとの指摘も出ているなか、伊勢前会長は「なぜ申立てされたのか理解に苦しむ」として不服申し立ての抗告をするようだ。
更生法に至った直接の要因はコロナ渦で鶏卵相場が下落したことが大きいが、アクセスジャーナル本編でも既報の「鶏卵汚職事件」のように、国際的に鶏に関しても“アニマルウェルフェア”(動物福祉)が言われるなど、生産の効率化が極限まで進んでいるなか、飼料の高騰も加わり限界に達していたとも。
 そこに持って来て、伊勢前会長の長年に渡るワンマン経営で銀行との間の信頼関係が無くなったことが大きい。
その伊勢前会長、世界的な美術コレクターで、19年11月、富山県高岡市に美術館を開館していた。こうした彦信前会長の美術・骨とう品の売却に関与している「Shinwa Wise Holdings」(2437。JQ。東京都中央区)への影響も注目される。何しろ、伊勢前会長は現在もShinwaの取締役会長で株主。また、Shinwaはイセとの間でイセが所蔵する美術品の一部売却事業に従事している。そして伊勢前会長はすべての所蔵美術品売却を検討していると報じられているのだ。

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