21年3月30日、厚労省は、深夜まで職員23人で東京・銀座の居酒屋で送別会を開催したとして、その会合を提案した老健局老人保険課の眞鍋馨課長(冒頭写真。当時)を減給1カ月とした上で、大臣官房付けとして事実上更迭するなどした(現在は国立保健医療科学院企画調整主幹)。
23人は全員老人保健課職員(内、出向者3人)。
コロナ禍の飲食といえば、銀座の高級クラブでやっていて衆議院議員を辞職した遠山清彦被告を思い出すかも知れないが、これは緊急事態宣言下の同年1月のことだった。
これに対し、眞鍋氏らの飲食は緊急事態宣言が解除されて3日目だったものの、当時、東京都は飲食店に午後9時までに営業時間短縮を求めていた。さらに不要の「飲食を伴う懇親会等」であり、「大人数で午前0時近くまで」、「マスク無しの会話」、しかもコロナ対策最前線の厚労省職員だったのだから言語道断といっていいだろう。
眞鍋氏を除く正式職員19人も訓告や注意処分に。そして田村憲久厚労相(当時)は閣僚給与2カ月を自主返上する事態となった。
しかも、処分後のことではあるが、その後、この送別会に参加した23人の内12人がコロナに感染。さらに参加していなかった職員からも感染者が出て、厚労省は4月22日、一連の老健局のクラスター感染者は29人に上ると発表する事態になったのだった。
ところが、それからまだ1年も経たず、コロナ禍も明けていないというのに、その最大の戦犯である眞鍋氏を「エース課長」に戻すシナリオが厚労省内で密かに進められているとの情報が入って来た。