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連載『詫びる覚悟はできてます』第4回「安倍継承の菅政権、見事、コロナ(規制解除)と共に心中」

筆者・中井仲蔵(コラムニスト)――この連載は、普段は某中小企業に務めつつ、こっそり雑誌やウエブ媒体に原稿を書くコラムニストの私が、あまり話題にならなかったニュースを拾い起こしてみようというものです。月2回の掲載を目標にしています。

 本日、自民党新総裁が選出され、10月4日には菅義偉首相は退陣します。
思い起こしてみると、菅さんはこの1年強の任期を通じて、結局何をしたかったのかよくわからない総理大臣でしたね。
その前に総理大臣になったのべ98人の人たちは、良くも悪くも「日本をこうしたい」という理想があったと思うのですが、菅さんには一切それが感じられませんでした。
安倍政権の継承を謳い、細田派初め有力派閥庇護の元でなれたのですから独自色がないのはわかるとしても、ここまで何もないと、妖怪に例えれば、まさに顔の無い“のっぺら坊”でしたね。
それでも、何かと思い出せば菅さんの功績として記憶に残るのは、GoToキャンペーンと東京五輪&パラリンピックの強行開催でしょうか。
GoToキャンペーンの方は、自分を総理大臣に押し上げてくれた二階俊博自民党幹事長の顔を立てるため仕方なく行ったように見えましたし、オリパラのほうは、人気取りのためだけにやってのけたとしか思えませんでした。
 いずれも国民の多くが反対する中、「意地でも実行するぞ」という強い意志は感じましたが、不思議なことに「意地でも成功させるぞ」という意気込みはまったく見受けられませんでしたね。両方とも、実は菅さんはあまり関心がなかったんじゃないかしらん。
他に菅さんの功績といえば、携帯電話の値下げということになるんでしょうか。何がどう下がるのかはよく知りませんが、菅さんが秋田から単身上京してきて、「携帯電話の料金を値下げ」を実現するために政治家になったわけではないことくらい想像がつきます。これが首相として一番やりたかったこととは到底思えません。
ということで、菅さんは何がしたくて首相になったのか、さっぱりわからないままです。一応、昨年の相就任直後に発せられた、国会での所信表明を見直してみました。
菅さんは、
「私が目指す社会像は、『自助・共助・公助』そして『絆』です。自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。その上で、政府がセーフティネットでお守りする。そうした国民から信頼される政府を目指します」
と言ってましたが、ここから読み取れるのは「国民のためにこうする」という意気込みではなく、「俺らは何もしないからおまえら国民が自分でなんとかしろ」という宣言でした。ここでもやっぱり、「やらないこと」はわかっても、「やりたいこと」というのが見えてきません。やりたいこともないのに政治家になって、何が楽しいのでしょうか。謎は深まるばかりです。
こういう疑問が国民から出てくる理由の一つは、菅さんの「発信力」の弱さだと思います。
官房長官時代に、「令和」と書かれた額縁を持ってかしこまってる画像や、パンケーキが好きで河井案里被告や記者クラブ所属の女性記者たちと一緒に食べに行ったというニュースはなんとなく覚えてますが、何か国民の心に響くようなことを言われた記憶はさっぱりありません。
内閣官房長官時代から、記者会見ではあらゆる質問に「その指摘にはあたりません」と答えていたことから始まり、総理になって国会に出たときでも、答弁では何を言ってるよくわかりませんでした。読み間違いは日常茶飯事で、時には言うべきことと真逆の内容を口にしたこともあったように記憶しております。最悪なのは原爆記念日に広島の平和祈念式典であいさつ文を読み飛ばしたことです。「のりでくっついてた」とかなんとか弁明してましたが、自国の首相として、恥ずかしいと思った国民も多かったことでしょう。そもそも日本がコロナ禍で大変なときに国会を開こうとすらしないのは、「発信力の欠如」と言われても仕方ないですよね。
そういや昨年、就任早々に出演したインターネットのインタビュー番組でも、第一声は「こんにちは、ガースーです」でした。
本人は冗談のつもりかニヤニヤしてましたが、視聴者に対して自分の名前さえちゃんと伝えようとしなかったわけですね。
かように、国民に対してはまったく何も伝えようとしない菅義偉さんですが、いやしくも民主主義国家で公正な方法で国民に選ばれた総理大臣です。小さいことでも何でもいいから、何か主張や理念や言いたいことはあるはず。仮にやりたいことがないとしても、せめて「こう思われていたい」という自分の理想像があってほしい。
そこで、菅さんの著書を読もうと思ったのですが、正直なところ、お金も時間ももったいなかったので、まずは公式ホームページ(*ココをクリックすれば見れます)を覗いてみることにしました。すると、そこには驚愕の真実が隠されていたのでした。

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