アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(805)「ドンキ前社長逮捕で、インサイダー取引について思うこと」

ドンキホーテホールディングス」(現「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」。7532。東証1部)の前社長がインサイダー情報を知人に漏らした容疑で逮捕されたが、詳細はアクセスジャーナル本編をご覧いただきたい。(冒頭写真=ドンキの株価チャート)
ここでは、わが国ではインサイダー取引がなぜ頻繁に起こるのかについて述べたい。
インサイダー取引規制に違反した者(個人の場合)は、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」(金商法197条)。
まず、このようにわが国の罰則がひじょうに甘い。
何しろ、米国の場合は「20年以下の懲役または500万ドル以下の罰金」。500万ドルといえば円換算で約5億2000万円だ。
わが国でこんなに軽ければ、交通違反と同じで捕まったら運が悪かったとなり反省は少ないだろう。
さらに重要な点は、ドンキ前社長は逮捕されたものの、今後の裁判で金融当局が負ける事例が相次いでいる事実だ。
昭和時代、「誠備事件」で加藤あきら氏は逮捕されたものの、起訴事実の主要部分が退けられ加藤氏は実質無罪となった。また、巨額のコンサルフィーを引き出し特別背任容疑で逮捕された福村康廣氏も無罪となった。
筆者はかつて東京地検特捜部、証券取引等監視委員会(SESC)、関東財務局からヒアリングを受けたことがある。また、あるハコモノ増資マフィアが逮捕された際、裁判用の資料作成を手伝ったこともある。そうした経験から、なぜインサイダー取引をしても事件化しにくく、また事件化しても無罪になるのか解説しよう。
最もいいたいのは、それだけ当局の調査はぬるいということだ。できればSESCの検査官に読んでいただきたい。

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