アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「個人情報」盾に一切取材拒否――「清水建設」の、コロナ死社員に関する取材への不誠実対応

 予想されたことではあるが、以下に転載するように、本紙は新型コロナウイルスに感染して亡くなった社員I氏(享年56)の詳細情報を入手しまず間違いないと思われることを報道、その上で、未確認ながら重大と思われる内容については「清水建設」(1803。東証1部。東京都中央区)に質問状を出して問うた。
そして、そのなかには、亡くなったI氏は、すでに感染が確定した別の者から作業現場でうつされたとの情報がある(つまりクラスター)、また、I氏が亡くなった社員寮現場はI氏の死去後にロックダウンしたが、なぜ、それまでにそうしなかったのかといった質問も含まれている。
これらは作業現場にいた他社の社員、寮の他の社員、そして両方へ出入りしていた方々への感染の可能性もあるのでなおさら高い「公益性」があり、本来、清水建設が率先して自ら開示すべき情報ではないのか?
ところが、清水建設の4月13日のIRは、都内の同一作業者でI氏含め3名が感染したと述べていただけだし、I氏は「自宅待機していたところ、容態が急変し、亡くなった」と述べただけの不十分なものだった。
それにも拘わらず、本紙の質問に対し、清水建設はI氏と遺族の「個人情報保護」を盾に、一切の質問への返事を拒否した。
その対応は、余りに不誠実と思わないわけにはいかない。

 横に掲げたのは、本紙が出した文書の質問の部分。
本紙はこれら質問をするにあたり、その前文でこう記していた。
「〇〇様(*編集部注。I氏のこと)に関する死の経緯を報じることは、御社の対応のみならず、今の政府のコロナ対策の在り方も問われる重大な問題と認識しています。また、(I氏以外の人が感染するリスクもあり)死にも関係することですから公益性があることは明らかです。
したがいまして、『個人情報に関することなのでお答えできません』ではなく、こうして疑義も含む事実関係が表に出た以上、出来るだけお答えいただけることを期待しています」
見事に、その期待は裏切られたわけだ。

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