アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

定年延長問題の黒川検事長との接点ーーあの「大阪経済倶楽部」元会長が出所していた!

「大阪経済倶楽部」元会長でもあった奥垣内次郎氏(69。冒頭写真)が今年2月下旬、刑期を終え出所していることが本紙への関係者の情報提供などからわかった。
この奥垣内氏、「経営環境開発協同組合」(広島市)の代表理事として出資法違反に問われ、広島県警に逮捕されたことは本紙で2015年7月に記事にしている
その後、「ETCカード事業の供託金を出せば毎月2%の割戻金がもらえる」などと、配当や元本保証を謳い、出資金を騙し取った詐欺罪にも問われ、16年4月に懲役4年6月の実刑判決を受け、その後、服役していた。
これだけ聞けば、よくあるチンケな詐欺事件で、いまさら取り上げることもないと思われるかも知れない。
だが、本紙がこの件を改めて取り上げるのは、15年7月に記事にした際にも2回に渡り報じているのだが、それはこの奥垣内氏が逮捕容疑の共同組合の肩書とは別に、「大阪経済倶楽部」という当時は任意団体の会長の肩書を持っていたからだ。実際、当時の記事内容も逮捕容疑のことより、この大阪経済倶楽部のことに大半を割いている。
というわけで、当時の記事を読者の方は是非、ご覧いただきたいが、結論を一言でいえば、この大阪経済倶楽部、現役も含めた検事を接待するなどして接近し、その検察人脈で持ってパチンコ・パチスロ業者など、警察を始めとする行政の許認可などで手心を加えてもらうために設立された疑惑ある団体なのだ。
 そして、筆者が『噂の真相』(休刊)で取材した02年当時には、吉永祐介元検事総長(横写真。故人)が同会の名誉会長に、元札幌高検検事長の佐藤道夫氏(その後、参議院議員に。故人)が顧問に就くなどしていた。
この団体、そもそもは濱田守久氏(故人)が1986年に設立。そして濱田氏と吉永元検事総長とは吉永氏が大阪高検検事長の時代に知り合い懇意になり、00年ごろの濱田氏の結婚式で吉永氏が媒酌人を務めるほどの仲だった。また、この大阪経済倶楽部、現在も東京に本部を移し存続し、同倶楽部主宰の講演会講師に、パチンコ・パチスロ業界にも大きな影響を及ぼす、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入を巡る汚職事件で逮捕・起訴されたあの秋元司代議士が2度に渡り登場してもいる。
ところで、本紙では、安倍政権が法律を捻じ曲げてまで定年延長し、黒川弘務東京高検検事長を検事総長に就けようとしているなか、その黒川氏の賄賂疑惑を3度に渡り報じている
検事総長になろうかという者が賄賂を受け取るか? それ以前にダーティーな人物と縁を持つか? と疑問に思われるかも知れない。
読者がそう思うのは、そんな人物と面識を持てば、いざという時に手心を加えるようでは困るから当然のことだ。
だが、本紙がいいたいのは、残念ながら、そうでない現実があるということだ。(上写真=『月刊テーミス』4月号より)

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