日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が海外逃亡した事件の関係先として1月29日、東京地検が出入国管理法違反などの容疑で、弁護を担当していた弘中惇一郎弁護士(74)の事務所を家宅捜索したのはご存知の通り。
その後、弘中弁護士らは所属弁護士会に、「弁護人には保釈後の被告の管理監督義務があるが、結果的に逃亡を許し、刑事司法の根幹を揺るがしかねない事態を招いた」などとして一般人から懲戒請求申立され、弁護士会は調査している。
ロス疑惑の三浦和義、村木厚子元厚労省局長(当時)など、代理人を務めた数々の訴訟で無罪を待ち取り、通称“無罪請負人”とも呼ばれている弘中弁護士だが、その評価は地に落ちた感じだ。
他の記事の関係でずいぶん報じるのが遅くなったが、本紙・山岡は弘中弁護士はいつかこういう事態を招くのではないかと思っていた。
03年12月、本紙・山岡の自宅電話を盗聴した件で、当時、サラ金大手だった「武富士」の武井保雄会長(当時)が逮捕に。その武井会長の代理人を務めたのも弘中弁護士だが(武井氏は有罪に)、この際、本紙・山岡は公判後、怒りを堪えきれず、エレベータで下りようとする弘中弁護士を捕まえ、「いくら何でも嘘はひどいでしょう。あなただって、それが嘘だということはわかっているでしょう!」旨、文句をいったことがある。この際、弘中弁護士は無言のまま来たエレベータで下りていった。
武井会長が本紙・山岡の自宅を盗聴したのは、当時、武富士の株価は仕手化して、山岡もその仕手筋と繋がっており、盗聴すれば誰が仕掛けているとわかると思ったようだ。しかし、それはまったくの邪推で、その証拠に、盗聴は丸2カ月も行われたが何も出て来なかった。ところが、弘中弁護士は公判において、あたかも山岡は仕手筋と通じており、止むなくやったかのような主張を行った。そのため、無罪を勝ち取るためなら何でもありで、虚偽とわかっていても顧客に有利なら平然と嘘を付くというのが、本紙・山岡の弘中弁護士像だ。