昨年9月、本紙がいち早く報じた、パチスロ大手「ユニバーサルエンターテインメント」(UE社。旧名アルゼ。東京都江東区。6425。JQ)のフィリピンにおけるカジノ事業計画を巡る贈収賄疑惑が、石原慎太郎前都知事の3男、石原宏高代議士に飛び火した。
そもそも石原慎太郎氏が現在のフィリピン大統領の父、ベニグノ・アキノ氏(83年、当時のマルコス大統領に暗殺される)と友人だった関係から比政界に独自のパイプがあり、それを宏高氏が引き継いだ。また、慎太郎氏はカジノ推進派でもあることから、UE社はかなり前から石原家のスポンサーだったと見られる。(石原ファミリーとの疑惑も報じた「石原ファミリー支援『アルゼ』一大重大疑惑に新展開」というタイトルの本紙記事=下写真=で、現在、UE社と係争中)
そうしたなか、昨年12月の衆議院選挙で宏高氏が再当選を目指す中(前回落選)、UE社が3名の社員を派遣していたことを3月14日の「朝日」がスッパ抜いた(=冒頭写真)。
さらに「朝日」は翌15日、石原宏高氏の妻・石原あや氏が1人だけ役員を務める「IMS」(東京都品川区)という有限会社とUE社側が11年6月以降、コンサルタント契約を結び、宏高氏が当選する昨年12月まで計1800万円もらっていたことをスッパ抜く。
UE社が社員3名を選挙運動に派遣していたことにつき当初、関係者は「休暇中」とか「ボランティア」などと言い訳していたが、すでに約1カ月丸々選挙手伝いをしたにも拘わらずUE社から給料が支払われたり、宏高氏側は事務員として日当を払っていた(その場合、ビラ配りはできないが、宏高氏はやっていたと答えていた)など、公選法違反(運動員買収)が濃厚で、議員失職の可能性が出ている。