大阪府警捜査2課と証券取引等監視委員会が連係して捜査を進めていると見られる、元ジャスダック上場の不動産会社「セイクレスト」を巡る架空増資疑惑ーーその疑惑のターゲットのなかには、過去にも、複数の“危ない上場企業”絡みで登場している松尾隆氏と共に紙屋道雄氏もいると思われる。
このセイクレストの昨年5月の破産時、筆頭債権者として登場した(冒頭左写真=会員制情報誌「FACTA」12年6月号記事)のが、当時はまだ「天成ホールディングス」と名乗っていたクロマグロ養殖を初めとする数々の投資詐欺疑惑が出ている「新日本マテリアル」(直接的には、子会社の「シールド」)。
新日本マテリアルの実質上のオーナー・中村浩一郎氏(冒頭右写真)と、紙屋氏は共に鹿児島県の出身。その関係から当時の天成ホールディングスはセイクレストと関わりを持ったようだ。
ところで、その「天成ホールディングス」改め「新日本マテリアル」が、経営していたクラブ「空庭」などの家賃代さえ払えないほど資金繰りに窮していることは前回お伝えしたが、今回は同じく鹿児島で経営している旅館「天成花壇」(=横写真。鹿児島県霧島市)の不動産が人手に渡っていたという事実をお伝えする。
しかも、その相手というのは政治結社の代表で、競売妨害疑惑さえ出ている。
すでに大手マスコミも取材に動いているし、当局も重大な関心を持っており、こちらでも事件化する可能性がある。