アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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ASEAN議長国、8月TPP交渉開催地ーーブルネイの国王甥っ子の重大詐欺疑惑(3)

 本紙が報じたこの重大詐欺疑惑、一部マスコミもついに動き出し、注目を浴びつつある。
こうしたなか、ブルネイ政府はさすがに無視はマズイと思ったのか、一部被害者が在日本ブルネイ大使館に告発文書を送り対策を求めたところ、回答を寄越したというのだ。
だが、それはまったく他人事のような内容だったという。
「Tという日本人が対応したのですが、“そんなことをいわれても対応しようがない。日本の警察からなら、何らかの対応をしないといけないのかも知れませんが”というものでした」(被害者の一人)
しかし、この疑惑は日本人被害者が少なくとも20名やそこらはおり、被害額は少なくとも50億円以上ともいわれる。しかもこの8月22日から30日まで、わが国も参加国ということで注目するTPP会合地(ブルネイで)であり、疑惑が出ているのはボルキア国王(冒頭写真左。安倍首相と。今年5月来日時)の甥っ子=Pgバーリン(横写真。95?97年までマレーシア大使。左写真=わが国でこの詐欺話に協力する会社役員に本人が就任)なのだ。
だが、その後の取材でブルネイ政府が無視する理由が見えて来た。この甥っ子の詐欺疑惑には、王族の主要な者も関わり、内紛の要素もあり、メスを入れるとなれば王族が大打撃を受ける懸念もあるからのようなのだ。
例えば、この関連記事1回目で登場してもらった、代官山にほど近いブルネイ有力王族の1人ジェフリー殿下が所有していた約1700坪の土地を材料にした詐欺話だが、このジェフリー殿下とは、現在のボルキア国王の弟、ジェフリー・ボルキア殿下だったのだ。
「元大蔵大臣で、人口約30万人のブルネイにあって2万人も雇用するブルネイ王室の資産運用会社『アメデオ』を経営していた。ところが、98年7月に倒産(負債総額は約1100億円)。それを契機にジェブリー殿下の国有財産の不正使用疑惑が出、国王が殿下に損害金を戻せという訴訟を提起。最終的に和解になった模様だが、その内紛渦中に一連の詐欺話が出ており、カネに窮した殿下と甥っ子が組んでいた可能性もあります」(事情通)
しかもPgバーリンとの関係が指摘されるのは、ジェフリー殿下だけではない。
ブルネイでの住宅建設の詐欺話に関しては、Pgバーリンの後見人ともいわれる元郵政大臣、建設省事務次官補、石油資材担当責任者といったブルネイ政府要人(当時)の名も出ているのだ。

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