ブルネイーー東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国であり、またTPPの次回会合(8月22?30日)開催地でもある。今年5月、そのブルネイのボルキア国王が来日。首相官邸で安倍晋三首相と会談している(冒頭写真)が、その国王の甥っ子が日本人を相手に詐欺行為を繰り返し、被害総額は50億円は下らないともいう重大疑惑を本紙はキャッチした。
一部被害者はこの7月にも、在ブルネイ日本国大使館に被害を訴える文書をファックスしているが無視の様子。重大な外交交渉を控え、刺激したくないということかも知れないが、国民の利益を守るのが在日本国大使館の一番の役目のはず。自由貿易を錦の御旗に、明らかに国益を害するTPP交渉を進める安倍首相同様、疑問に思わないわけにはいかない。
前置きが長くなったが、その詐欺の材料の一つは、わが国は東京・代官山駅にほど近い高級住宅地の一角にある約1700坪もの広大な土地(横写真。下写真は入り口)。
この土地、そもそもは日本全土の正確な地図を始めて作った伊能忠敬の末裔などが所有していた。だが、登記簿によれば94年12月にブルネイの有力王族の1人(ジェフリー殿下)が購入。そして09年1月にはブルネイ投資庁の所有になっている。
しかし、石油や天然ガスなどの資源を多く埋蔵している同国は経済的にひじょうに裕福なためか、わが国一等地の広大な土地にも拘わらず購入以来ずっと野ざらし状態で有効活用されていない。
逆にいえば、だからこそ詐欺の材料にはうってつけなようなのだ。
被害者の1人が証言する。