アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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仲間割れで余罪も浮上か――あの青山清利が銀行融資詐欺で再逮捕に

 青山清利(39)といえば、本紙でも既報のように、今年5月9日、未公開株詐欺容疑で埼玉県警についに御用になった、以前からその世界では有名だった御仁。
実際は闇金融がメーンで、グループやダミー会社を通じて経営の苦しい会社に融資。その際、株や売り掛け債権などを担保に取り、表向きはコンサル料名目などで回収。実際の裏金利は月2割にもなり、過去には、当時、まだ上場していた「トランスデジタル」「タスコシステム」「春日電機」にも貸し、高利を貪っていた疑惑もある。
その青山、冒頭の詐欺容疑で起訴されてから半年経つも、公判前整理手続中の状態だった。そうしたなか、同じ埼玉県警が12月6日、今度は横浜銀行からの1億円融資詐欺容疑で逮捕していた。
NHKでも報じられたが、新聞は未公開株詐欺の時同様、埼玉版でしか報じられていないので、まだ気づいていない読者も多いのではないだろうか。
今回、一緒に逮捕されたT容疑者(38)は青山容疑者の元側近。
青山容疑者が社長の「a-sense」(冒頭写真=以前の入居ビル。東京都渋谷区)なる会社が、高級時計やバックの大量発注を受けたとの書類を偽造し、08年9月ごろ横浜銀行渋谷支店から1億円詐取したとされる。
本紙は、その青山容疑者と交流があった複数の関係者から話を聞くことが出来た。
結論をいえば、こうした銀行からの借り入れが闇金の原資になっていたようなのだ。
「今回逮捕容疑の大量の偽造発注書類は『ドン・キホーテ』のもの。ドン・キホーテの印鑑を偽造し、発注書類に押印。印鑑証明書も偽造したと聞いています。
同じような手口で、『三井住友』『三菱東京UFJ』『みずほ』の3行からも総額10億円は詐取しています」
青山容疑者らは、こうしたカネを原資に闇金を経営。融資先会社がカネになると見れば「グローバルホットライン」や「エステート24」のように乗っ取りをかけるたとの疑惑も出ていた。
その一方で、返済が滞る相手に対しては、こんな強行手段に出ることもあったという。
「融資先の会社や社長自宅を張り、覆面し、金属バットで襲うこともありました。その際には、東京のさる広域組織有力団体Y組関係者を襲撃メンバーに回してもらうこともありました。実はここも金主だったんです。どうしても返せないとヤバイ仕事のダミー役にすることもありました」
今回逮捕されたT容疑者自身も、こうした襲撃に加わることがあったようだ。
そのT容疑者も、青山容疑者と同じく「光通信」出身。もっとも、在籍時には面識はなく、6年ほど前に共通の知人の紹介で面識を持ち、T容疑者は青山グループ入り。そこで金融知識を身につけ、T容疑者は闇金融資責任者をしていたという。
そして、儲けたカネは今度はキャバクラ経営や出会い系サイト運営などに再投資され、さらに資金を増やしていた。ちなみに、青山容疑者は六本木ヒルズに住み、自家用車はロールスロイスのファントム(上写真)。この車の前の持ち主は、あの「関東連合」メンバーのN氏とのこと。
出会い系サイト運営会社「エレクトリックオペレーション」(大阪市北区)はそんな一社。
出会い系サイト「ショコラ」などの広告を違法に送信していたとして、09年12月、総務省に実名公表されている。代表者は別人だが、当時、2人は仲良く役員に就いていた(下写真=その登記簿謄本)
 もっとも、3年ほど前にT容疑者は青山グループを去っている。
「真相は不明です。ですが、Tがこっそり裏で貸付先のコネを使い、自分で商売を始めたと青山が疑った結果、お引き取り願ったと聞いています」
そして、T容疑者が独立し経営していたのが「グランドライン」(東京都世田谷区)なる会社。
表向きは子供服などの会社だが、実際はこちらの本業も闇金だったという。
そんなわけで、2人は現在は不仲。互いに相手に責任を押しつけ合っている可能性があるという。
重要参考人になりそうな者として、T容疑者が光通信退社後、青山グループ入りする間に勤めていた会社で同僚だったY氏、H氏、M氏などの名前が出ている。中でも南青山でネット系のR社を経営するY氏は闇金融資の紹介で深く関わっていたとの証言もある。

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