アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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あの黒幕が、今度は米国アメックス上場企業のわが国コールセンター子会社を解体「違法金利で貸付」

  本紙はこの10月29日、昨年から今年にかけ、いずれも上場廃止になった「タスコシステム」(ジャスダック)、「トランスデジタル」(同)、「春日電機」(東証2部)の3社に対し、破たん直前、その足元を見て強引な金貸しを行っていた黒幕として「青山清利」なる人物を紹介している。
35歳で引退とうそぶき、六本木ヒルズに住み、フェラーリを乗り回すこの人物、並行して、米国アメックス上場企業の子会社「グローバルホットライン」(=冒頭写真は入居ビル。東京都新宿区)もターゲットにしていたことが判明したので報告する。
このグローバル社、今年3月期の売上は約33億円とかなりの規模だが未上場。それにも関わらず取り上げるのは、今回の件では、強引な金貸しが裏目に出て、すでに関係会社が提訴されている他、刑事事件にも発展しそうな雲行きだからだ。
このグローバル社が、青山氏と接点を持ったのは「光通信」繋がりだった。
グローバル社の顧客はNTT、KDD、ソフトバンク、外資系生保などの営業用電話の代行。大企業が並ぶが、折からの不況と、設立(04年9月)間もなくコールセンター開設コストなどもかさみ、光通信出身の創業者社長だった阿南英樹氏が頼ったのが、光通信時代には部下だった青山氏だった。
借入額は計2億5000万円。今年2月のことだ。
「貸し付けるに当たり、突如、法定利息をはるかに超える年利109%を要求。『嫌なら貸さないが、いまさら“投資家”が納得しない』と暗に背後に暴力団がいることを臭わされ、契約させられたそうです」(関係者)
もっとも、そのまま要求すると御用になりかねないから、書面上の利息は15%に止め、関係会社との間に架空の業務委託契約書を結ばせそちらで取る手口(この業務委託契約も金銭消費貸借に振り替えられ、差押の道具として細工しているとの情報も)。
「加えて、担保としてグローバル社始めグループ会社の株券、売掛債権譲渡担保登記、代表印、銀行印、キャッシュカード、NETバンキングのID・パスワードまで取り上げられたそうです」(同)
こんな契約をする阿南氏も阿南氏だが、他に借入の宛はなく、また、それでも元部下ということで、キチンと返金さえすれば問題ないだろうということで応じたそうだ。(冷静に考えればこんな高金利を返せるわけが無いのだが)
だが、その利子だけでわずか3カ月余りで約9885万円払うという状況で、結局、返金が1度遅れるや一括返済を要求され、それができないと見るや、株券も売掛債権も取り上げられ、6月9日には阿南氏以下全役員は解任され、替わって青山氏の関係者が代表などに就く。さらに銀行印を使って預金も下ろされる(今年9月11日までで1億2500万円)。
その手口は“乗っ取り”というより、めぼしい資産をすべて吸い上げるというもの(解体)で、10月初めには社員、アルバイトのオペレーターなど約700名いた従業員はほぼすべて解雇され(労働債権約5億円未払い)、突然営業は停止に。
しかも重大なのは、青山氏は解雇直前まで従業員に対しては「会社を再生させる」と約束しながら、水面下では、売掛金を青山氏の関係会社のものと主張し、売掛先に債権譲渡通知を送り付けて振込口座の変更を強引に迫ったり、グローバルホットラインとそのグループ会社の銀行口座を差押さえたりと、会社を倒産に追い込む解体屋の手口そのものを行っていた事実だ(関係者によると、青山氏グループが他の債権者を無視すると、これまた残余財産数億円を回収できるだろうとのこと)。
現在、同社を訪ねると、入り口はロックされており、「立ち入り禁止 無断立入者は刑事告訴する」という強面のビラが貼られている状況だ(上写真)。
この青山グループに対し、国税、警察当局も大変関心を寄せている模様で、今後の局面が注目される。
(つづく)

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