アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「トランスデジタル」「タスコシステム」「春日電機」などを手玉に取った黒幕の正体

外食チェーン店を展開していた元ジャスダック上場の「タスコシステム」、同じくジャスダックに上場していたIT系の「トランスデジタル」、そして東証2部に上場していた電機機器メーカー「春日電機」・・・この3社とも昨年から今年初めにかけて上場廃止になったわけだが、その危機の最中、足元を見て、実質、不当な高金利で融資。それだけでなく、あくまで担保に取った同社株を勝手に売り払い、株価急落を招くなど、逆に経営危機をなおさら深刻化させるなど、やりたい放題した疑惑が出ているグループが存在する。
本紙でも、過去、仕手筋など、こうした疑惑の複数のグループを実名で告発して来たが、未だこちらは取り上げたことがなかった。
とはいえ、実はそのグループ会社の1つを偶然ながら、社名は伏せていたものの今年7月28日、 「『トランスデジタル』上場廃止の引き金になった手形を差し入れた人物」なるタイトル記事で一度だけ取り上げたことがあった。
(冒頭写真=黒幕の別のグループ会社の1つが入居するビル。東京都渋谷区)
このグループ会社、「ベネット」(東京都港区)という。(横写真。前回、伏せた社名部分をそのまま載せた「覚書」コピー)。
そのベネットが春日電機でも登場したことは、同社を一時、“乗っ取って”いた「アインテスラ」(オーナーは篠原猛氏)の春日電機に関する大量保有の変更報告書(08年11月12日)を見ても明らか。
ベネットは、鹿内隆一郎氏と共に、篠原氏の金主だったわけだ。
一方、タスコシステムに関しては、やはりベネットとの間に6000万円の「金銭消費貸借契約書」(横写真)などが存在するのだ。
実質、違法金利で貸し付けていた疑惑は、前回のトランスデジタルに関する記事でも述べた通りだが、担保株を勝手に売り払った疑惑の件は、前出の春日電機の大量保有の変更報告書にも見て取れるが、関係者はこう証言する。
「アインテスラが当時保有していた春日電機株200万株を担保に、ベネットは1億4000万円を貸し付けていたわけですが、その融資翌日にはアインテスラの承諾を得ずに名義を変更し、返済期日前にM証券を通じて内20万株を売却しました。アインテスラが抗議し、株券の返還を申し入れると、社長は逃げ回り、結局、実質上のオーナーが登場し、篠原氏と交渉しています。もっとも、その黒幕は、自分はベネットにただ投資しているだけの関係と言い張っていたそうですが……。
しかし、交渉は進まず、(昨年)10月10日から春日電機株は売られ、株価は暴落したのです。その間、1億4000万円の融資を受けていた期間は1カ月余りにも拘らず金利は1000万円で、しかも最初からその分は抜いて、実際に受けていた融資は1億3000万円だけだったようです。異常な高金利ですよね」
では、その黒幕とは誰なのか。
その名を「青山清利」という。
その青山氏が黒幕であることは、当時の春日電機のIR(08年11月11日)を見ても明らかだろう。
 また、名義変更していたことは「会社四季報」(09年第1集)を見ても(=横写真)わかる。
「5%以上だと大量保有報告を出さないといけない。4・9%というのがミソです。
当初、100万株は青山個人、もう100万株をベネット名義とし、20万株売却後、すべて(約180万株)を青山氏名義にまとめた。このことからも、青山がベネットに対する単なる投資家ではなく、実質、オーナーであることが窺えます」(前出・関係者)
その青山氏、「光通信」の出身。あの六本木ヒルズに住み、高級車を乗り回している。そして、背後には暴力団の影も見え隠れする。

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