アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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200億円(?)の資金はどこに消えたのか──海外FX「GEMFOREX」。「収納代行」という名の“入口”(第6回)

この連載第3回で、海外FX「GEMFOREX」(ゲムフォレックス)の実質的経営者4名ーー藤田寿彦、冨山智広、寺西健一、森田剛各氏の実名を公表した。また2026年5月、預金保険機構がGEMFOREXの資金を受けた収納代行会社の口座を「振り込め詐欺救済法」に基づいて凍結し、その「犯罪行為の概要」欄に「投資詐欺」と記されていたことも報じた。
ならば、次に問うべきは、200億円とも見られるその詐取資金の受け皿になっていたのは誰か?
無登録の海外FX業者が、日本人からこれほどの金を集められたのはなぜか。GEMFOREXは毎月30~40億円もの入金があったとされる2022年当時、その巨額の資金はまず3~4の複数の収納代行会社のわが国の銀行口座に送金させていた。
この連載5回目で切り込んだ「クレジットカード決済代行」に続き、今回スポットを当てるのは、国内の銀行振込を受け止めていた「収納代行業者」だ。彼らは本当に、ただのカネの中継ぎ(収納代行)だったのか。それとも、運営陣と地続きの深い関与があったのか。今回はその点について、さらに深掘りしていく。

■「収納代行」とは何か
連載5回目より、さらに深堀りしてその仕組みを説明しておきたい。
海外FX業者に日本から入金する時、利用者の多くは国内の銀行口座に振り込む。だが、その振込先は海外FX業者名義ではない。国内に用意された、まったく別の会社名義の口座である。利用者が振り込んだ金を、いったんその国内口座で受け取り、海外の業者側へ流すーーこの中継を担うのが「収納代行業者」だ。
無登録・海外籍の業者が、日本の銀行システムを使って堂々と集金できたのは、この国内の受け皿があったからに他ならない。収納代行は、詐欺の血流でいえば「入口の心臓」部だ。

■「判決が出ているので、冨山は無関係」?
ここで、話を1人の被害者の体験談に移す。
その被害者ーーここでは被害者H氏とするーーが自ら足で集めた記録に基づく。
本紙が首謀者として実名を上げている一人、冨山智広氏はGEMFOREXへの関与を一貫して否定している。「設立当初にアドバイザーとして関わっただけ」、「運営者ではない」、「裁判でもそれが証明されている」、「判決が出ているので無関係」というのが冨山氏側の言い分だ。
その「判決」とは、香川県で起こされた「RiskTaker Group」(東京都港区。今年5月清算結了)という冨山氏が代表だった合同会社に対する損害賠償請求訴訟を指す。2023年末に始まったこの裁判は、原告側の資料が不足していたこともあり、「冨山=GEMFOREXは無関係」との判断で決着したとされる。さらに冨山氏側はその原告を名誉毀損で反訴し、原告が和解金を支払う形で結審したという。
「判決」は、こうして作られた。
だが、資料が足りなかった1件の判決が、冨山氏の関与すべてを否定する免罪符になるのか? H氏は、そうは考えなかった。
「冨山氏が無関係だと言うのなら、国内の収納代行業者から資金の流れを逆に辿れないか?」。そう考えたH氏は自らの足で、収納代行業者のもとへ向かった。

■9時間の張り込みの末にーー林剛和氏という人物
H氏が辿り着いた収納代行の1つが「ホスピタリティマインド」(東京都中央区)ーーこの連載3回目で触れた、預金保険機構が「投資詐欺」に使われた口座として凍結した、あの会社である。
その役員を調べると1人の人物に行き着いた。それが林剛和氏(53)。
登記上、「TAKE」(東京都中央区)、「エレクトリックエンジ」(東京都中央区)、そして前述の収納代行の1つ「ホスピタリティマインド」など、複数の収納代行に名を連ねる人物である。
H氏は登記上の住所(当時は足立区のアパート)で張り込んだ。9時間。そして夜9時過ぎに帰宅した林氏を玄関先で捕まえた。
林氏の言い分はこうだった。「収納代行は、人に頼まれてやっていた」「GEMFOREX自体は知らない」「会社の資金は、業務委託として海外の決済代行システムに提供していただけだ」。
だが、ここに動かせない事実がある。

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