木原事件の再捜査(昨年10月受理)が進まないなか、安田種雄さん遺族が、木原誠二元官房長官の妻・郁子氏を被告に、総額約1億円の損賠賠償請求訴訟を東京地裁に提起したのは本紙でも既報の通り。(*本紙ではこれまでもYouTube版も含め、精力的に報じて来た)
その第一回口頭弁論期日は昨7月2日にあったが、本紙がまず疑問に思ったのは、いかなる理由で木原郁子氏を被告とし、1億円もの損害賠償を求めたのかだった。
まず、理由だが、それは、当時、夫で不審死した種雄さん(享年28)は「自殺ではなく、殺害されたもの」(訴状より)で、「被告が種雄を凶器で刺し、殊更に放置したことが、合理的に推認される」(同)として、その行為は民事上「不法行為」が成立すると。
不法行為とは、故意や過失によって他人の権利や利益を違法に侵害し、損害を与える行為(民法709条)。
原告は安田さんの両親、姉妹(姉2)の計4名で、息子を奪われ、今日まで20年間苦しみ続けた両親の精神的苦痛は金銭に置き換えられないが、敢えていえば各2500万円。2名の姉も、末っ子の種雄さんと一緒に人生を重ねていけると思っていたのに、その精神的苦痛も両親に劣後するものではないとして同じく各2500万円ということで、2500万円×原告4名=1億円の慰謝料を求めとしている。
なお、種雄さんの葬儀代100万円も加算され、損賠賠償請求額は正確には1億100万円となっている。
正直、大胆とも思える内容で、これに対し、実は被告側は、第一回口頭弁論期日に先立ち「答弁書」を提出(6月25日付)。そのなかで、「訴権の濫用」に当たるとして訴えの却下を求めている。
この被告側と、それに対する原告側主張(「第1準備書面」。7月1日付)については以下に紹介するとして、本紙が1億100万円の原告の請求理由と共に驚かされたのは、被告は当然ながらその答弁書において、真っ先に「自分は犯人ではない」と、原告の「被告が種雄を凶器で刺し、殊更に放置したことが、合理的に推認される」に対し、否認すると思っていたら、それをしていない事実。
しかも、7月2日の第一回口頭弁論期日でも、今後も認否をしない方針との情報も本紙の元には来ている。なぜ、否認しないのか?
その理由については、以下で本紙の見解を述べるが、その前に、まずは7月2日の口頭弁論で裁判所が「訴権の権利」だとして訴えを却下した事実はなく、今後、訴訟は継続し、当然ながら、被告の本人尋問も行われると見られる。種雄さん遺族4名もむろん。加えて、被告の夫、木原元官房長官の証人尋問だって絶対にないとは言えまい。



