「サイバーステップホールディングス」(3810。東証スタンダード。東京都杉並区。「疑義注記」)はこの連載で過去何度か取り上げ、最近では4月6日配信(連載117回)分で、関係筋が「GWごろに500円まで行く」といっていたと紹介した(右下写真)。しかし、その後低迷が続き、筆者も疑い始めていたが、GW明けの5月8日の後場から突如急騰し、その日はストップ高となった(冒頭写真)。
実はこの日の前場に関係筋は、「後場から仕掛ける」と知人に連絡していたという。なお、GWごろ500円と言っていたのは、中国筋の大物だ。しかし、8日後場、動き出すと同時に、あの有名人がXに書き込みを行っている。その後、数回のポストの効果だろうか、ストップ高となった。関係筋と有名人は組んでいたと思われても仕方ない。
さて、有名人に言及したことで、先週に続き「金商法」について付け加えておきたい。
金商法の投資助言業務は、免許を受けた投資顧問会社というのが一般の認識だろう。しかし、法律では登録を受けずに「業として行う」ことが刑事罰となる。景気動向、企業業績、株価などは該当しない。しかし意図的に将来の経済的価値(恐らく株価)を表示したと判断される場合は、該当する可能性がある。無料でも投資判断に関する助言を伴った場合は、投資助言行為に該当する場合もあるので、SNSで煽るのは控えた方がよさそうだ。
ところで、新潟大学経済学部の中村淳教授の論文によると、Xのフォロワー数2万9000人超のインフルエンサーによる7万2000のポスト(投稿)を分析。各インフルエンサーの助言に従った場合のパフォーマンスは28%のインフルエンサーは「熟練」と評価され、その助言に従った場合最大2・6%(月)のリターンを記録。17%のインフルエンサーは「非熟練」と評価され、アウトパフォーマンスはなかった。さらに過半数(55%)のインフルエンサーは「反熟練」であり、月平均マイナス2・3%のリターンであった。特筆すべきは、能力のある熟練インフルエンサーよりも、非熟練、反熟練インフルエンサーの方がフォロワー数が多いということが示されたこと。中村教授は、要因として、熟練インフルエンサーは非熟練・反熟練よりもポスト頻度が低いことを指摘している。
つまり、正確さよりも、注目を集めることが収益に直結するSNSの構造的特性があるという。上記の実証実験から、顧客を害するような者がむしろ市場で生き残り、影響を高めていると結論づけている。困ったものである。
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