本紙でも3月5日に報じたように、周防大島町(山口県大島郡。藤本淨孝町長=冒頭写真)を被告とした住民訴訟で、広島高裁は2月26日、山口地裁の「門前払い」の一審判決を取り消し、同地裁に審理を差し戻した。
これでやっと審理が始まると思っていたら、何と周防大島町は上告したという。
既報のように、この住民訴訟は、町立「橘医院」に勤務する右田泰之歯科医が、診療で歯を抜いたり、被せ物を外した時に出る金など貴金属を含む有価物を、長年に渡り自分のものにしていたとして、最低でもその換金額は3000万円を下らないとして、町に対し、右田歯科医そしてそれを見過ごしていた病院管理者が連帯して同額を支払うように請求することを求めたもの。
住民有志は2023年11月、町に「住民監査請求」したが、「請求人の主張に理由がない」として町は棄却。そのため、24年2月に山口地裁に住民訴訟を提起。ところが一審山口地裁は、住民監査請求できる期限を過ぎているとして、実質「門前払い」していた。
そもそも上告審は憲法違反でもない限り審理しないから、却下になるのは目に見えている。これでは、単なる結論の先延ばしに過ぎない。しかも、その上告のための訴訟費用は町の公金から出ており無駄遣い。対する住民訴訟の住民の負担も増す。
なぜ、そんなことまでして審理を阻止するのか?
そもそも、町は「請求人の主張に理由がない」と住民監査請求を棄却したのだから、ならば、堂々と裁判所での審理に委ね、結果、町の棄却が正当であることを証明すればいいではないか?
この不可解な町の態度については、不当な政治力が働いているのではないかとの観測も出ている。



