
中国人によるわが国不動産の爆買いが話題になっている昨今だが、その中国人を狙った日本人地面師といってもいい実例が判明したので報じる。
なお、地面師とは、自分が所有する不動産ではないのに、成り済ましを用意して本物の所有者と信じ込ませるなどして、購入代金を騙し取る犯罪プロのこと。
冒頭に掲げた2人は、その中国人を騙した地面師といっていい者。
左人物が大黒圭太氏。右が久原啓史氏。
前者は「ギフトホールディングス」(旧名ギフトグループ)、後者は「クリエイトパートナー」という共に不動産会社の代表。前者の方は登記上の大阪市東淀川区東中島2丁目の住所に会社は存在しない。また、後者の方が大阪市守口市大日町1丁目に会社は存在こそするものの、たまに郵便物を回収に行くだけで業務をしている様子はない。そして2人共に、どこにいるのかわからないのが現状だ。
まず、1つ目のケース。
大阪市浪速区で旅行会社を経営する中国人C氏に、「うちが所有している大阪の不動産3件(横右側はその1件)と京都の1件(横左側)をまとめて3億2000万円で買いませんか? 直ぐに倍の値段で転売できますよ。今がチャンス!」との話を、前出・久原氏の仲介で、前出・大黒氏からあったのは2017年のこと。
それを信じたC氏は分割で同年中に全額払い込んだ。
しかし、一向に名義がC氏に変わったとの連絡が来ないので大黒氏に確認すると「名義変更に手間取っている」、そして「別の投資家がすでに購入した」ととんでもないことを言い出す始末。
ついに忍耐の限界が来たC氏が強く説明を求めると、「あたなへの不動産引き渡しは私の事情でできない。ついては分割でお返しする。合意書を作りますので、それに署名して下さい」とのこと。
その合意書、左横写真のように、詳細は後述するが、実際は詐欺話なのに、その時点ではC氏はそのことに気づいておらず、こうなった以上、ともかく返金してくれればと、単なる金銭消費貸借契約に変え、詐欺で告訴できないようにする手口なのに、そのことに気づかずC氏は署名してしまった。
そして、この合意書に書かれた返金を実行して来ない。
そのため、C氏はギフトホールディングスと大黒氏個人を相手取り、貸金返還請求の民事訴訟を提起。これに対し、大黒氏は出廷もしなければ書面での反論も一切しなかったことから2019年2月には全額の支払い命令が確定した。
だが、金利分にもならない返金がわずかにあっただけで、現在は返金は完全に止まっているという。
この4物件の謄本を取って見たところ、大阪の1物件はそもそもギフトホールディングスの所有だったことはないことが判明。大阪のもう1物件はギフト社が所有していた時期はあったものの、合意書を巻いた時はすでに転売されていた。



