安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判の最終弁論が12月18日、奈良地裁であり、検察側が無期懲役を求刑したのは大手マスコミ既報の通り。
これで結審となり、2026年1月21日に判決が言い渡される。
10月28日から始まったこの公判の様子、元首相が選挙演説中に銃殺されるという戦後史に例を見ない事件である上、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)絡みということもあり、大手マスコミはかなりのスペースを割いて報じたのはご存じの通り。
だが、どうしてこんな重大なことを報じないのかということがあったので、この機会に報じておく。
それは、統一教会は山上被告一家側に5000万円を返済していた事実だ。
本紙ではこのことを、「安倍元首相殺害事件の真相を究明する会」会長の南出喜久治弁護士からもらったレポートを元に11月8日に報じていた。
弁護士が、山上被告の初公判に合わせ、東京地裁のなかにある司法記者クラブで会見し、その際にも詳しくはないものの述べていたことなので事実だろうとは思っていた。しかし、南出弁護士はその証拠の「合意書」も入手していると述べながら、提供者との約束で今はまだ公開できないということで、100%事実とは確信を持てなかった。
ところが、この公判のなかで、この5000万円の件、母親、妹、そして山上被告本人の尋問のなかで出て、大手マスコミはまったくというほと報じられていないものの、その話を聞いて、今回、ネット検察して見たところ、『週刊ポスト』(横写真)、『東洋経済』、また弁護士ジャーナリストの楊井人文氏などが報じていることを知った。
南出氏のレポート記載通り、山上被告の母親は統一教会に総額1億円以上献金したとされるが、元弁護士の伯父の尽力で、2009年までにまず2000万円返済。その後、2014までに毎月30~40万円というかたちで3000万円の計5000万円支払われ、「合意書」には母と山上被告を含めた3兄弟がサインし、山上被告自身、これで統一教会との金銭問題は解決していたと思っていると、本人尋問で証言していたのだ。
そうすると、南出弁護士のレポート通り、やはり「山上被告には殺害動機がない」との解釈も成り立ち得る重大証言ではないのか?
ところが、大手マスコミはこんな重大証言をまったくというほど報じていない。
統一教会バッシングが起き、宗教法人としての解散が審議されているなか、それは不都合なことかも知れないが、だからと無視することは報道機関としておかしくないか!? 国民の多くは大手マスコミの報道しか見ていないからその事実を知らない方は多いだろう。では、山上被告はそれでも統一協会を憎み、しかも安倍元首相を「代替」(検察側主張)として殺害したのか?



