本紙は詐欺師と思われる者につき、新たな被害を防止すべく、この連載で私的指名手配をしている。
今回紹介するのは塩入孔志氏(冒頭写真)。山形県天童市出身。1984年3月15日生まれの41歳。現在、東京都港区内のマンションに愛人と住む(妻とは離婚協議中)。
この塩入氏、本紙に過去に告発があった2つの詐欺疑惑に絡んでいた。
1つは、上場したら株価が何倍にもなるという未公開株詐欺疑惑が出ていた「D」(愛知県名古屋市中村区)というIT系企業に関連して(*当初、2024年6月上場を謳っていたが、未だ上場していない)。
この未株詐欺疑惑、少々やり口は複雑。
そのD社の株を直に販売するのではなく、そのD社の株式を持つ「G」(東京都港区)が、いずれD社株式を譲渡するという「株式譲渡契約書」の紙切れだけで、判明しているだけでも数億円引っ張っていた。
被害者によれば、株式譲渡する日が来てもあれこれ言い訳して実行しない。なぜ、先にカネを払ったのかと聞くと、D社社長も同席し、また調査したところ、D社の技術力は高く有望と判断したからという。
ところが、被害者は気づいていなかったのだが、そのD社の株式を持っているG社のオーナーといって契約に現れたのは、かつて巨額の銀行融資詐欺「コシ・トラスト」事件で世間を騒がせたあの中林明久氏だったのだ。もっとも、D社社長は同席したことも、中林氏との関係も完全否定したことなどから本紙では当時、記事に出来なかった。
前置きが長くなったが、今回取り上げる塩入氏が代表社員の合同会社「FIBS.life」(山形県天童市。右横写真=同住所郵便受けに同社も含め得体の知れない会社名が多数ある)は、このD社のグループ会社F社(愛知県知多市)に20億円の債権があるという「覚書」(以下に転載。このF社代表も前出D社代表で、しかも同代表は個人的に連帯保証もしていた)を見せ、以下に解説する別の被害者を信用させていた。ところが、以下に出て来る債権者O氏が確認すると、D社代表はその覚書は偽造とのこと(銀行口座の明細も)。D社代表によれば、塩入氏を過去に従業員として雇ったことはあるという。
そして、塩入氏が詐欺したと思われるのは、本紙に以前、持ち込まれていたもう1つの詐欺疑惑に関連してだった。
「トラストワイズプロダクション」(神奈川県横浜市中区)という広告会社がある。そこの山中直彦社長が、物件オーナーが賃料を100%とりっぱぐれないどころか+αで手数料も入るという、広告を利用した画期的なサービスを考え出した。
本紙に今年初め、告発があった際は、そのサービスが詐欺という話だった。
ところが、実際は、塩入氏が代表社員の前出FIBS.lifeがこのサービス募集の代理店をしていて、顧客から預かった保証金を詐取していたのが真相であるようだ。
そして、このトラストワイズに絡んだ塩入氏の債務額は少なくとも7億円以上あるようだ。



