「いわき信用組合」(福島県いわき市)は昨年11月、元職員の告発を契機に第三者委員会、特別調査委員会が設置され、これまでに旧経営陣が2004年以降、総額約280億円の不正融資を行った上、反社会勢力にも16年まで約10億円資金提供していたことが明らかに。
今年5月、10月と金融庁は業務改善命令を出した。
また、現経営陣は早ければ今年中に旧経営陣を民事提訴(善管注意義務違反)、刑事告訴(背任罪)を捜査機関とも相談してやるという。
この件、地方の一信用組合の不祥事ながら、余りのデタラメぶりに大手マスコミも報道。「毎日」など昨日、社会面をほぼ全面使って報じている(冒頭写真)。
その最大の戦犯は、2004年に理事長になった江尻次郎氏のようだ。
実は本紙・山岡もちょうどそのころ、同信組の元支店長から告発を受け取材し、月刊経済誌などに報じていた。
今も当時の資料を保管しているが、それによれば資金提供を受けたものとしては日本青年社、菊守青年同盟、国防青年隊などの名も出ている。
そもそもの契機は、当時、まだ常務理事だった江尻氏の複数の不祥事をかぎつけ、前出の右翼団体などが抗議行動を起こしたようだ。
本紙が言いたいのは、「毎日」ではこうした街宣を止める仲介役をした者を「Σ(シグマ)」と匿名で報道。結果、このΣとの悪縁が続いたとしている。
このΣと同一人物かは不明だが、本紙では2011年5月、「東電闇人脈」とタイトルに入れた記事のなかで、こんな記載をしていた。
「食い込んだのは、東京電力だけではない。地元のいわき信金組合の不正を追及する記事を90年代、盛んに書いた(右横写真)のはいいとして、その後、同行に食い込み、最終的に30数億円の情実融資を引き出し、すべて焦げ付かせた疑惑も出ている。
『その際には、古巣の人脈を駆使した結果でしょうか、さまざまな右翼団体、暴力団関係者が押しかけ、彼らには少なからざる資金が渡っています。また、〇〇氏はいわき信組がメーンバンクだった仙台の産廃業者も乗っ取り、ここが巨額の負債を出してもいます』(地元事情通)
本紙はこうした疑惑を裏づける資料を多数入手しているが、紙面の関係もあるので……」。



