本紙はつい先日、コンサルタント会社「行政問題研究所」の竹内陽一代表(77)の件を取り上げた。
行政問題研究所といえば、東電の福島第2原発の残土処理事業(60億円。前田建設工業が元請け。その下請けに水谷建設)を巡り、水谷建設からコンサルタント名目で1億2000万円が渡っていたところだ。
しかし、名古屋国税局はそれを業務実態のないリベートと判断し、03年に追徴課税した。そして06年7月には、水谷建設の脱税事件の関係で行政問題研究所を家宅捜索、また竹内氏を事情聴取している。
特捜部としては、行政問題研究所が受け取った1億2000万円の一部が、政治家に渡った可能性もあると見ていたようだ。
結局、この件は不発に終わったようだが、行政問題研究所にそれだけのカネが流れたのは暴力団関係から政財界まで持つ広いネットワーク故のようだ。
竹内氏と東電の関係は、これだけに止まらない。竹内氏は出身地の福島県福島市に出版社を持ち、『財界ふくしま』という雑誌を出しているが、同誌で東電の原発について批判記事の特集を続け、その後、東電との繋がりが出来たようだ。東電の株主にもなり、毎年、株主総会に出席。東電が同誌に広告を出していたこともある。
その竹内氏は「行政問題研究所」と似た「行研」という出版社も持ち、同社はつい最近まで『官界』という雑誌(休刊)を出していた。
同出版社からは岡田春夫氏(元衆議院副議長)が『国会爆弾男・オカッパル一代記』(87年)、楠田実氏(政治評論家。佐藤栄作首相時の首席秘書官)が『佐藤政権2797日』(98年)を出したりもしている。最近では小泉、福田、安倍政権の本も。
(上左写真は日本プレスセンタービル外観。右は同ビル内の「行政問題研究所」の表示。その上に「読売新聞社」の表示も)