アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「インボイス」株主代表訴訟で露見した、木村会長、高添社長らの重大疑惑(上)

 本紙既報のように、通信料金一括請求サービス大手「インボイス」(東京都港区。木村育生会長=下左写真)が株主代表訴訟を起こされたのだが、その詳細がわかったので報告する。
入手した訴状(冒頭写真=その一部)や関係資料、関係者の証言などによると、これは創業者で現会長の木村氏、社長の高添俊幸氏(下右写真)らが深く関わっていると思わざるを得ない、重大疑惑であることがわかった。
請求の趣旨は、木村会長、高添社長、松吉俊治常務はインボイスに損害を与えたとして、連帯して約3億6279万円を支払えというものだ。
なお、株主はこの件を2009年11月にインボイスに提訴請求している。だが、インボイスは同年12月、会社は何の損失も被っていないとして提訴しないとしたことから、今回の株主代表訴訟となった。この間、1年以上経過しているのは、提訴するための資料などの入手に時間を要したためと思われる。
 では、株主が損害を与えたと主張する約3億7000万円とはいかなる内容のものなのか。
インボイスは06年3月期、07年3月期の2年間で、実に約43億1565万円分ものテレフォンカードを「アーバンコレクション」なる会社から仕入れ、これで本業の電話料金支払い代行の一部に充てていた。
わざわざテレフォンカードを使用したのは、金券ショップでは額面の90%以下で購入でき、NTTに手数料(500円カードだと50円)分を払っても差益分得をするからだ。
このため、インボイスは「損害がない」として、今回の提訴請求を認めなかった。
これに対し株主は、アーバンは木村会長らと「緊密な関係」にあり、実質、インボイスが直に仕入れており、それにも拘わらず、(1)アーバンに約1億2654万円の不当利益をもたらした、(2)仕入れたテレフォンカードの代金と額面とに約6億2000万円の差益があったが、これを「営業外収益」として計上しない一方、NTTへの手数料(前出の500円カードなら50円)については少なくとも約2億3625万円が支払われている(「営業外費用」に計上)として、その合計3億6279万円の支払いを求めている。
本紙が指摘する重大疑惑とは、有り体にいえば、木村会長らはインボイスでの立場を悪用し、自分らの息のかかった会社に利益供与した特別背任の質を持ったものなのだ。

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