
本紙は今年10月16日、「トライアルホールディングス」(141A。東証グロース。福岡市東区。永田洋幸社長=冒頭左写真中央人物)の重大コンプライアンス違反行為に関する記事を報じている。
トライアルHDといえば、今年7月に総合スーパー「西友」を子会社化。九州地盤の小売りグループだが、首都圏に130店舗を持つ西友を買収したことで売上高は来期1兆3000億円を超える見通しになると共に、今年11月上旬の小売店舗「トライアルGO」(東京都杉並区)開店(冒頭右写真)など首都圏への出店攻勢を始めており、大注目の一大小売グループだ。
ところが、10月の前回記事では、このトライアルHDの連結子会社と下請け会社が解体工事の料金支払いでトラブルになったところ、同和関係者を同席させ、下請け会社社長を畏怖させた件を報じた。
なお、今現在、この本紙記事につき、トライアルHD側からは何ら抗議はない。
今回報じるのは、その記事の最後で、このトラブルになった下請け会社は、トライアル側が北九州市で大規模商業施設を計画しており、そこでの解体工事をエサに、無料で他の仕事もいろいろさせられていたとの関係者の証言を紹介していた。(*その下請け会社は、北九州市の大規模商業施設計画地の解体工事をもらえていない)
とても全国規模の上場企業らしからぬ手法だが、今回報じる土壌汚染対策の件も同様の疑義がある。
この商業施設計画地(北九州市への届け出では「中井口・高見台商業施設」=仮称=になっている)は、北九州市小倉北区の中井口・高見台にある実に敷地面積約2万6000坪、売り場面積約1万坪という広大なもの(右下写真)。
子会社の「サンリアルエステート」が2023年3月にこの計画地を取得。翌24年6月に別の子会社「トライアルリアルエステート」に所有権移転している。
この土地には、「日本化薬」(4272.東証プライム。東京都千代田区)と「大阪ソーダ」(4046。東証プライム。大阪市西区)という共に化学メーカーの工場があった。工場の面積は約半々。
関係者によれば、日本化薬の方の土地は同社が約36億円かけて土壌汚染を取り除き、きれいな土壌と入れ替えている。
汚染問題が持ち上がったのは、大阪ソーダの工場跡地の約65%、8450坪の方で、ここからは水銀が基準値の約400倍、ベンゼンに至っては基準値の約1800倍の汚染が確認されたからだ。
大阪ソーダの方は汚染土壌の入れ替えをしてないからで、日本化薬の土地は雑草が生い茂っていたのに、大阪ソーダの汚染地は何も生えていなかったとも。
ただし、これは決して大阪ソーダに問題があったわけではない。



